7月27日【気になったニュース】 日米関税合意で、リトル・トーキョー復活???

獺祭Blueを記念しての桜井博志会長の講演。売上200倍に伸ばした今も、今後世界のプレミアム・アルコールになるためには、最低でも売上をここから5倍にしないといけないとのこと。そのために、宇宙での酒造りも。 要は、「チャレンジし続けること」が重要とのこと。 @ Japan Society, NY
皆さん、一週間お疲れさまでした。今週もいろんなニュースがありましたね。
日本では、20日日曜に参議院選挙があり、与党自民党の過半数割れとともに参政党の躍進がとりあげられました。既成政党に対する不満を吸収した形での右派の躍進ということで、フランス(Rassemblement National)、ドイツ(AfD)、イギリス(Reform UK)などのヨーロッパ主要先進国のトレンドが、「日本よ、おまえもか」ということで注目を集めたのだと思います。
世界的な右派躍進の背景には、技術革新を含めた急激な社会変化に対する不安、そのなかでの経済停滞と所得格差の拡大、移民問題、それらが既存政党への失望感と自分たちのアイデンティ模索といった要素が挙げられると思います。
ただ、このトレンド自体は、今に始まったわけではなく、上記欧州では2008年世界金融危機以降から顕在化してきました(ギリシャなどの欧州国債危機、難民問題、Brexit…)。そのような世界的社会環境のなかで、中国も、時を同じくして、アメリカとの対立を意識するなかで、経済的な自己完結性を高めてきていましたが、現在のTrump2.0を通じた“自国第一主義”(“MAGA”)が、この世界的な流れを加速させているように思います。(そもそも、トランプ政権自体が、アメリカ国内のそのような社会不安・不満から生れているわけですし。。。)
結果として、世界のGDPの半分近い(43%; 2024年; アメリカ+中国)経済が、“国内都合による経済政策”を押し通すようになると、その他の国でも、不安が高まり、“自国防衛”的政策が必要となり、それが右派の躍進に繋がっているのだと思います。
そのようななか、今週の日米関税合意において、今後日本がアメリカに対して、$550B(約80兆円)の投資を行うとの条項は、興味深かったです。この約80兆円というのは、日本のGDPの13%、これまでの累積対米直接投資額($800B弱)の7割にも匹敵します。もちろん、この数字には融資保証の提供なども含まれ、“真水”は相当小さくなるでしょうが、それでも今後日本からアメリカに相当の投資、企業進出が行われるということだと思います。
日本は、既にアメリカにおいて最大の外国投資国ですが、“日本人”は200万人あまり(うち駐在員などの在留邦人は40万人ほど)です。“日本の輸出”ではなく、現地と溶け込んで事業経営を行なうのは、日本の良さだと思いますが、今後ますます日本からの投資が増え、こちらに永住する方も増えるなかで、やはり“日本コミュニティ”を守り、成長させる基盤づくりもこの機会に必要だと思います。(約250万人の韓国との“コミュニティ力”の違いは歴然ですよね。。。$550Bもあれば、十分そのための投資も。)そもそも日本の食料・燃料自給率を考えると、“自国第一主義”は極めて難しいですし、日本の豊かさを維持するためにも、この関税合意・投資を機会に、日本らしい国際協調の形を模索する機会にできればいいのではないでしょうか。
では引き続きよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚

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