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ニューヨークは「世界のファッションの中心地」。これが過去のものになりつつある。おしゃれに貪欲だった若者の関心が、インスタ映えするイベントや食べ物に移行してしまったからだ。ローカルメディアのNYポストが27日、伝えた。

日本発の古着店Second Streetで(28日、マンハッタン / Photo: Keiko Tsuyama )
西30丁目と7番街のあたりのファッション街。ドレスやコート、スーツなどが掛かったラックを押す業界関係者をよく見かけた。いずれもグッチ、バレンチノ、シャネル、ディオールなどの高級ブランド品だ。ラックに羽が生えたように飛ぶように売れた。それも今では見る影もない。
安定した収入を見込めたブランドバッグも売り上げは落ちており、グッチやシャネルはデザイナーを交代させた。富裕層でさえカジュアル志向だ。サックスフィフスアベニューやニーマンマーカスでお高くとまった販売員が、フランスからの超高価な新着品をVIPにうやうやしく手渡しする光景ももう見られない。
自宅で洗濯ができて着心地が良ければよし。その多くは中国やベトナム、ウルグアイなどで生産された安価で大衆的なファストファッションだ。市内でもファストファッションの店は元気。「ファッションは個性ではなく、特別でもなく、関心を持つ理由がなくなった」と、あるデザイナーは嘆く。
若者はそれでいいのだ。ファッションに使っていたお金を節約し、何に使うかといえば、イベントと食べ物だ。若者にとって、最も重要なことはインスタグラムやTikTokで目立つこと。ファッションではその目的が果たせなくなっている。
ニューヨーカーもブティックを敬遠気味。SNSで紹介されないから、カナダ、中国やヨーロッパの観光客も足を運ばなくなる。市内でブティックの閉店が相次いでいるのも理解できる。
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