みなさん、一週間おつかれさまでした。明日からは、いよいよ国連総会ハイレベルウィークですね。80回目の節目を迎える今年のテーマは、「共にあることで、より良くなれる:平和、開発、人権のための80年とこれから」です。昨年のノーベル平和賞を日本被団協が受賞したことからもわかるように、戦後80周年を迎える今年、世界の地政学リスクの高まりとともに、分断化がさらに強まっており、非常に重要な会議であると思います。


日本人学校ならではですね。
気候変動に関するイベントが過去最高
同時に、この時期は、Climate Week NYCも開催されます。この活動は、The Climate Groupが2009年より毎年国連総会の時期にあわせて行っているものです。アメリカの政策変更にも関わらず、今年は、過去最高の1,000を超えるイベントが開かれ、やはり気候変動に対する世界の高い問題意識を感じます。
残念ながら、二酸化炭素排出量も過去最高
2015年の「パリ協定」(産業革命からの気温上昇を、1.5℃以内に抑える)にも関わらず、コロナ禍を除いて、基本的に世界の二酸化炭素排出量は増加しており、昨年2024年の二酸化炭素排出量(化石燃料+産業輩出)は、2023年に記録した過去最高水準を2%更新しています。
残り期間は、あと3年
結果、昨年の世界平均気温は、パリ協定の目標(+1.5℃)を初めて超えてしまい、現在の二酸化炭素排出量の水準がこのまま続けば、恒常的に(2024年は、自然の気象パターンの影響を受けて、一時的な側面もあった)、その「1.5℃」をわずか3年で突破してしまう勢いとなっています。
+1.5℃と+2℃では大違い
2018年IPCC(気候変動に関する政府間パネル)特別報告書では、気象(熱波、干ばつ、短時間豪雨、洪水、台風)、生態系(例えば、サンゴ礁の全滅)、食料安全確保などの観点から、+1.5℃と+2℃の上昇を決定的な違いとしており、2030年前後までに世界のCO₂排出半減と2050年への「正味ゼロ排出(Net Zero)」の達成を求めました。同報告書の提言では、大気中の二酸化炭素を除去する技術(NETs = Negative Emission Technologies)の導入も前提とされています。
ベンチャーへの期待も高い
残念ながら、二酸化炭素排出量が減少するばかりか、増加の方向に進む中(AI進化による差ならなる電力需要も)、省エネおよびNETsに対する意識はさらに高まっており、このClimate Weekも多くの技術、ベンチャー紹介イベントが行われます。ベンチャーでは常にそうですが、未解決の問題に対して、新たな可能性に必死に取り組む人たちからは、常に“ワクワク感”をもらいます。(その熱気が、さらに地球を熱くしているかどうかは、別として…)
明日からは、私も世界の将来を考えながら、いろんな“ワクワク感”をもらえる機会にできればと思っています。皆さんのなかでも、「地球を救う」アイデアをお持ちの方がおられましたら、ぜひご連絡いただければと思います。
では引き続きよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
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