インフレ真っ只中のアメリカ。ファストフードももはや“贅沢品”になりつつある。そんなファストフード店の中で、特に価格が高いチェーン大手6社を、13日付のテイスティングテーブルがレポートしている。
1)Shake Shack(シェイクシャック)

マンハッタンのマディソン・スクエア・パークでホットドッグを販売する屋台として2001年に開業したが、もはや屋台の値段ではなくなってしまった。ホットドッグが約6.29ドル、最も高いメニューの一つShackStack (100%アンガスビーフ、チーズ、なぜかさらに揚げたシイタケバーガーShroom Burger、トマト、レタス、そしてシャックソースをポテトのバンで包んだもの)は17.59ドル!
24年の調査で「最も値段が高いファストフードチェーンの一つ」とされ、「シンプルなバーガーセット(バーガー+ポテト+ドリンク)で20ドルを超えるのは不当」「高すぎる」との苦情が殺到したが、至って強気。現在の300店舗を、今後数年で1500店舗まで拡大する計画だ。
2)Five Guys(ファイブガイズ)

1986年にバージニア州の小さな店で産声を上げたファイブガイズだが、現在ではアメリカで1500店舗以上、全世界では2000店舗近くにまで成長。創業時から、「安さではなく新鮮さ」を売りにしていた。マクドナルドのビッグマックが当時1ドル以下だったのに対し、同店は2.39ドル(インフレ考慮後の現在の価格では9.37ドル)だった。
冷凍食材を使わず、フライドポテト用のジャガイモも手作業でカットする。しかし「新鮮さだけで高価格は正当化できない」との声が多く、「昔は新鮮さが売りだったが、今はバーガーキングの2倍の値段で、味もワッパーよりたいして良くない」という批判も。
3)Chick-fil-A(チックフィレイ)

1940年代から安定した人気。近年ではLGBTQ差別団体へ多額の寄付をするなど炎上気味。そんな批判にもかかわらず根強い人気を誇る。2021〜23年の2年間で21%の値上げを断行、「最もハイエンドなファストフードチェーン」との皮肉も。
数々の批判(と高い値段)にもかかわらず、店舗数はアメリカ、カナダ、プエルトリコで3000店舗を超えており、顧客満足度でも常に上位にランクインしている。
4)Wendy’s(ウェンディーズ)

四角いパティ、フロスティ(デザート)、赤毛の少女のロゴでおなじみ。1969年にオハイオ州で創業し、現在はアメリカ国内で約6000店を展開。2022年に、マクドナルド、チックフィレイ、タコベル、バーガーキングなどとの比較において、前年から最も価格を引き上げ(+35%)、「(質に比べて)最も高すぎる」との悪名を得た。
さらに2年後の24年には、需要や材料費によって値段を変えるダイナミックプライシング(ホテルや航空機業界では当たり前とされている)の導入を提唱したことで、またもや批判にさらされることに。会社側は、「ダイナミックプライシングにより、価格を下げることができる」と説明したものの後の祭り、「(質に比べた)割高感」を認識させる結果に。
5)Burger King(バーガーキング)

創業から3年後の1957年から看板商品「ワッパー」を提供。現在でも最も人気の高い商品の一つで、北米の6000店舗を含む世界中の1万9000店舗で、年間約13億個売れている。
1959年に、40セント(現在の価値で約4.44ドル)だったワッパーも、今ではニューヨーク店で約9ドルに。代替肉バーガーを使ったインポッシブルバーガーは9.99ドル。さらに24年には、客がキオスクで購入途中に商品の値段が上がったことに気づき、大ひんしゅくを買った。バーガーキング側は、「システム障害」と説明したものの、評判はガタ落ちに。
6)Raising Cane’s(レイジングケインズ)

チキンフィンガーで有名。1990年にルイジアナ州で誕生。近年、人気に拍車がかかり、現在アメリカ国内に900店舗余りを展開。チキンフィンガーとポテトフライ、テキサストーストというシンプルなメニューが中心だが、だからと言って安いわけではない。むしろ、チックフィレイよりも高い。サイズは大きいものの、「値段に見合わない」という声も。
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