米国立衛生研究所(NIH)の調査によれば、アメリカ人の多くは食事だけでは十分なマグネシウムを摂取できていないという。サプリメントが補助的に利用されることがあるが、その種類は多岐にわたり、吸収率や作用もそれぞれ異なる。予防医学情報サイトのプリベンション(Prevention)が、代表的なマグネシウムの種類と特徴を紹介。マグネシウムを選ぶ際の参考にしよう。

1. クエン酸マグネシウム(Magnesium Citrate)
最も一般的なマグネシウムの一種で、吸収率が比較的高い。一般的にカプセルや粉末で摂取され、便秘治療薬としても用いられる。
2. マグネシウムグリシン酸塩(Magnesium Glycinate)
胃への負担が少なく、鎮静作用があるため、睡眠の質向上や不安軽減に役立つとされる。
3. 酸化マグネシウム(Magnesium Oxide)
胸焼け、消化不良、便秘、偏頭痛に最もよく使用される。吸収率低め。
4. 塩化マグネシウム(Magnesium Chloride)
吸収が良く、体内のマグネシウム不足の補給に適す。入浴剤やオイルとして外用されることも多い。
5. 硫酸マグネシウム(Magnesium Sulfate)
医療現場では点滴で急速補給に使われるが、一般には入浴剤エプソムソルト(Epsom Salt)として筋肉痛緩和に用いられる。また、便秘治療に低用量で経口投与されることも。
6. 乳酸マグネシウム(Magnesium Lactate)
吸収率が高く、胃腸に優しい。食品添加物としても使われている。
7. L-トレオン酸マグネシウム(Magnesium L-Threonate)
血液脳関門を通過できる唯一の形態であるため、脳機能に有益である可能性が高い。動物実験ではアルツハイマー病やうつ症状、加齢に伴う記憶力の低下の改善効果も報告されている。
8. タウリン酸マグネシウム(Magnesium Taurate)
血糖値と血圧の安定、抗炎症や睡眠、消化機能改善に寄与する可能性がある。
9. リンゴ酸塩マグネシウム(Magnesium Malate)
低マグネシウム血症の改善や、筋肉痛・疲労感を軽減する働きがあるとされる。線維筋痛症への有効性が報告された研究もある。
10. オロチン酸マグネシウム(Magnesium Orotate)
運動能力向上、持久力増強、心臓の健康との関連性を研究中。脳と腸内細菌叢の健全な連携維持にも有益と推測されている。ただし最も費用対効果が低い。
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