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ニューヨークのメトロポリタンオペラでは、舞台の幕が下りると同時に、もう一つの“幕”が上がる。観客約3800人と従業員3000人の胃袋を満たすための、オペラ並みの壮大な食のオペレーションについてニューヨークタイムズが6日、レポートしている。

ドレスアップして上演前や幕間に食事をすることは、オペラ鑑賞に欠かせない要素だ。劇場内のメインダイニング「グランド・ティア・レストラン」は開演2時間前から営業し、上演前や幕間に約150人を迎える。上演前ならチケットの提示は不要だが、客のほとんどは、毎シーズン同じ席に座る定期会員や寄付者だ。看板料理はスモークサーモンやクラブケーキなど。3コースのプリフィクスは118ドル。全ての客がほぼ同時に着席するため、スタッフは1時間以内に前菜とメイン約150皿を提供しなければならない。
レストランを利用できるのは観客全体の約5%に過ぎず、残る95%は幕間にバーへ向かい、シャンパンや人気のエスプレッソマティーニを求めて長蛇の列を作る。小腹を満たすチョコレートや、1晩に約250個作られるというサンドイッチも販売している。
華やぐロビーとは対照的に、地下の職員用カフェテリアでは、出演者をはじめ、衣装の縫製係や大道具・小道具担当、清掃員などがサラダやスープなど簡単なメニューで腹ごしらえをする。出演者が衣装を着けたまま駆け込む姿も見られるという。
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