2025年12月8日 NEWS DAILY CONTENTS

マンハッタンの公立校が「ICE」から通称変更|米移民・関税執行局(ICE)との混同避け、悪印象の払拭図る

通称「ICE」として知られてきたマンハッタンにある進歩的な公立校、The Institute for Collaborative Educationは、ニューヨーカーからの反発著しい米移民・税関捜査局(ICE)とのイメージ混同を避けるために「Ny. ICE」(発音はNice)を使っている。地元ニュースサイトのゴッサミストが4日、伝えた。

学校のバザーで新しい通称を施したトレーナーを販売する保護者(The Institute for Collaborative Educationの公式インスタグラム(@ice_schoolnyc)からスクリーンショット=2025年9月6日)

 The Institute for Collaborative Educationは、スタイブサントタウン-ピーター・クーパー・ビレッジ(1番街〜アベニューC、東14〜23丁目)にある小規模な学校。6〜12年生が通う。実践を重んじ、標準テストの代わりに、プロジェクトやレポート、実験などで評価する。

 「ICEでは不必要な混乱と感情的反応を引き起こす」とピーター・カープ校長。「これからは学校のコミュニケーションにはNy. ICEを使う」と今年初めに書簡を送った。校名を変更したわけではない。通称を変えただけだ。ホームページは併用しているが、コーヒーマグやスエットシャツ、スポーツチームのユニフォームなどはNy. ICEを使う。新しい通称は浸透しつつある。

 生徒の反応も上々だ。モシ・ネイサンさん(16)は「『私はICEに通っているんだ…』と言うのは響きが悪いです…あの人たちとは関わりたくないでしょう。Ny. ICEなら、コミュニティーを包み込むイメージがある」と話す。3年生の保護者、アリソン・ライリーさんも「学校に誇りを持ってほしい。ICEと混同されるべきではない。政治とは無関係であるべきだ」と、通称変更を歓迎している。

トランプ政権になって、市内の保護者や教員は法的滞在許可を持たない移民の権利に関する赤いカードを配布。ICEを見かけた場合に、コミュニティーに知らせる暗号化チャットも開発している。これまでに少なくとも2回警告メッセージが流れ、校内に生徒をかくまった。

ニューヨーク市はサンクチュアリーシティ(聖域都市)政策を実施しており、ICEは法的な令状がない限り校内に入ることはできない。ただ、裁判所などで公立校の生徒複数がICEに身柄を拘束されており、移民の多い学校では就学者が減っているという。

                       
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