ファストフード店に代表される外食産業やポテトチップスなどの加工食品の製造過程で最も一般的に使用されている食用油「大豆油(Soybean Oil)」が、肥満を促す代謝経路を持つ可能性があることが、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の研究で明らかになった。研究は大豆油を多く含む高脂肪食を与えたマウスを調べたもので、多くの通常マウスが顕著な体重増加を示した一方、遺伝子改変マウスでは肥満が起こらなかった。科学・宇宙・工学ニュースサイトサイテクデイリー(SciTechDaily)が3日、伝えた。

鍵を握るのは、肝臓で脂質代謝を制御するタンパク質HNF4αだ。遺伝子改変マウスが持つ特殊な型のHNF4αは、大豆油に多く含まれる脂肪酸リノール酸から生成される代謝産物オキシリピンの産生を抑制し、肝臓の健康やミトコンドリア機能を維持することで、体重増加を防いでいた。オキシリピンは炎症や脂肪蓄積と関連する化合物で、通常マウスではその増加と肥満が強く結び付いていた。同研究責任者でUCR生物医学研究者のソニア・デオルさんは、「大豆油を多く含む食事で、体重が増えやすい人と増えにくい人がいる理由を理解する第一歩となるかもしれない」と述べた。
興味深いことに、人間もマウスと同様に2種類のHNF4αを持つ。ただし、マウスで肥満を抑制した型は、通常は慢性疾患や断食など、特定の代謝ストレス下でのみ発現することが知られている。研究者らは、年齢・性別・遺伝的背景・服薬状況などが、人による大豆油への反応の違いに影響する可能性を指摘する。
UCR研究チームは2015年にも、大豆油がココナッツオイルより肥満を促進することを報告している。今回の成果は、その原因が「油そのもの」ではなく、体内で油が変化して生じる代謝産物にある可能性をより明確にした形だ。
大豆油がファストフード業界に遍在する理由は?
経済的効率性:比較的安価なため、大量調理を行う外食産業にとっては経済的な選択肢となる
安定性:高度に精製・漂白・脱臭処理されているため、保存性に優れ、加工度の低い油とは異なり繰り返し揚げ物に使用できる
汎用性:揚げ物、袋菓子(スナック)、ソース、焼き菓子などに広く使用できる
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