ボディーアートの一つ、タトゥーは一般的に安全と見なされているが最近、健康に悪影響があることが科学的な研究により分かってきた。科学情報サイトのサイエンスアラートが4日、伝えた。

タトゥーの施術では、インクを皮膚表面下の層である真皮の深部に注入する。体は色素粒子を異物と認識し、免疫細胞はそれらを除去しようとするが、粒子が大きすぎて完全に除去できず、皮膚細胞内に閉じ込められる。これが永続的に模様が残るタトゥーの仕組みだ。免疫細胞が死滅すると、体は免疫系を活性化し続けるシグナルを放出し、最大2カ月もの間、近くのリンパ節に炎症を引き起こす。色素粒子はまた、リンパ腺を通って移動することも判明しており、色素粒子がリンパ節に蓄積すると、免疫反応に影響を及ぼす。「コロナワクチンの免疫反応を鈍らせる」との研究報告もある。
タトゥーによるアレルギー反応は、施術後数カ月〜数年後に出ることもある。炎症が長引けば、皮膚組織の破壊や罹患の危険性もある。不衛生な状況下でタトゥーを施すと、黄色ブドウ球菌、B型およびC型肝炎、まれに非定型マイコバクテリウムなどの感染リスクとなる。最近ではタトゥーを入れている人は、紫外線への曝露と関連が指摘される黒色腫(悪性の皮膚がん)を発症するリスクが、タトゥーを入れていない人と比べて、29%高まるとの研究報告もある。
一部のタトゥーインクにはニッケル、クロム、コバルト、鉛を含む微量の重金属が含まれているが、重金属は一定濃度で毒性を示し、アレルギー反応や免疫過敏を引き起こす。アゾ染料や多環芳香族炭化水素(PAHs=有機物の不完全燃焼時に生成され、煤、自動車排気ガス、焦げた食品などに含まれる)などの有機化合物が含まれていることもある。現在使用されている多くの色素は、人間の皮膚への注入ではなく自動車用塗料、プラスチック、プリンタートナーなどの産業用途向けに開発されたもので、こうした物質は有害で発がん性があることは広く知られている。
現時点で、タトゥーとヒトのがんを結びつける強力な疫学的証拠は存在しないが、ラボや動物実験では、リスクの可能性が証明されている。科学者たちは、「特定のタトゥー色素は時間の経過とともに、あるいは紫外線やレーザー除去に曝露されると分解し、有毒で、ときに発がん性の副生成物を形成する可能性がある」と指摘。がんの多くは発症までに数十年を要するため、タトゥーが広く普及し始めたのがごく最近であることを考慮すると、これらのリスクを「直接研究することは困難」であるとして、危機感を強めている。
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