ニューヨークで100年以上にわたり開催されてきた、北米最大の雑貨展示会「NY NOW」。毎年冬と夏に開催される同イベントで、日本の雑貨ブースが集うエリア、DECO BOCOを見つけた。日本食やアニメだけではなく、丁寧に作られた日本のアイテムをニューヨークへと広める “ジャパン・パビリオン” とは?

ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターの広大な催事スペースをフル活用して毎年行われる同イベントには、インテリア雑貨や食器、テーブルウェア、文房具、アクセサリーなど、あらゆるジャンルの雑貨が集結する。来場者は一般客ではなく、業界人向けのトレードショーとして開催されており、店舗オーナーや企業のバイヤーたちが次のシーズンに向けた商品を探しに訪れる。


「日本のものは集合体になっていた方が探しやすい」
そんな会場内で出会ったのが、日本の雑貨を扱うブースが集まったDECO BOCOというエリアだ。日本の職人が手作りする食器や雑貨、障子を活用したインテリアアイテム、さらにはアパレル商品までがずらりと並び、思わず足を止めてしまう。プロデューサーの徳重真梨子さんに話を聞くと、「DECO BOCOはNY NOWにおける “ジャパン・パビリオン” のような立ち位置を担っています」と教えてくれた。

「今年でこのイベントに出店し始めて5年になります。日本の雑貨をアメリカに広げられるプラットフォームを作りたい、という思いがきっかけでした。もともと私はジュエリーブランドのセールスとして単体のブースで出店していて、たまたまDECO BOCO現ディレクターのジョンソン・ハーバートさんも別のブースで出店していたんです。そこで『日本のものは集合体になっていた方が売りやすいし、バイヤーさんも探しやすいよね?』という話になって。需要と供給が重なり合い、DECO BOCO(凸凹)が生まれました」

雑貨にもジワジワ広がる “日本ブーム”
ニューヨークでの日本ブームは年々高まりを見せており、最近では街のあちこちに抹茶カフェがオープンし、おにぎりや弁当文化もじわじわと広がりつつある。日本の文房具もコアなファンを着実に増やしており、ブルックリンにある日本の文房具を取り扱うヨセカステーショナリー(Yoseka Stationery)には20〜30代のローカルの若者が熱心に買い物をする姿が見られる。
そんなジャパンブームの追い風を受け、日本雑貨のトレンドとしては、抹茶を点てる茶筅や、ワッパの弁当箱など、人気のカルチャーから連想される特定アイテムには特に人が集まる傾向にあるという。今回のイベントでは、日本のユニークな印刷会社、一九堂印刷所が手がける、日本のフードを模したカレンダーがその一例となっていた。

アメリカで既に人気 vs まだ認知の少ないアイテム
一方で、そうした分かりやすい “人気アイテム” を押さえつつも、徳重さんは「分かりにくいものを、アメリカ人のバイヤーにどう売るかが課題」とも話す。今回のDECO BOCOには32社が参画したが、多い時には70社を超えることもあるという。

「私のバックグラウンドに、展示会に特化したセールススキルがあるということもあり、DECO BOCOというプラットフォームを通じて、日本のみなさんがアメリカでの売り方を体感できるようなサポートをしていきたいと思っています」と、徳重さん。
出店者の声は?「アメリカ展開への第一歩」
ブース出店者の一人、日本の工芸品を扱うブランド、Gojiaiの担当者は、「今回の出店が2回目なのですが、こうしていろいろなブースが集まっていることで、日本のものに対してポジティブな印象を持っている人たちが立ち寄ってくれるのがうれしいですね。『これは日本製で』と一から説明する手間が省けるので、とてもありがたいです」と笑顔を見せる。

また今回初出店を果たした、香りが特徴のスキンケアブランド、Shiawase no Hoshi no Kaoriの担当者は、自身のブランドのアメリカ展開への第一歩として参加を決めたという。今回はヒノキの精油を使用したアイテムを前面に押し出し、「こちらの方がどんな香りを好まれるのかを知る機会になりました。意外にもヒノキをすでに知っている方が多く、『自分が持っているヒノキのアイテムは……』といった会話もできました」と、手応えを感じたそう。

◇
このように、海外の大きな市場の中で日本人が活躍できる土台があることで、日本文化はより広がっていく。DECO BOCOの存在は、“ニューヨーク” という舞台に挑戦するためのハードルを下げてくれるものでもあるだろう。10年後、20年後、このプラットフォームからコミュニティーが生まれていくことを期待したい。

取材・文・写真/ナガタミユ
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