24日午後6時ごろ、ブルックリン・ブッシュウィックのブッシュウィックアベニューとサイダムストリートの角付近で、男性を拘束しようとした米移民関税執行局(ICE)の捜査官と地元住民が揉み合いになる騒ぎがあった。コロンビア大学では26日早朝、国土安全保障省(DHS)の連邦捜査官が同大学が所有する住宅棟に侵入し、学生1人を拘束。同大学が学内向け書簡で発表した。
サンクチュアリシティー(聖域都市)であるニューヨークで連邦捜査官が市民を拉致している実態が明らかになったとして、移民支援団体は強く反発、マムダニ市長に対し説明責任を求めている。amニューヨークとニューヨークタイムズがそれぞれ伝えた。

ブッシュウィックでは近隣住民が団結して抵抗
ブッシュウィックで起きた事件は、昨年末に連邦捜査官がチャイナタウンを一斉捜索して以来、ニューヨークの路上で行われた最も劇的なICEの強制捜査の一つとみられる。
事件を直接知る情報筋によると、複数のICE捜査官と連邦執行移送官(ERO)がアパートの外で男性を拘束する姿が目撃され、その妻と2人の子ども(2~3歳、生後3カ月)は置き去りにされたという。目撃者のよると、夫の連行時、妻は「泣き叫んでいた」という。建物内の近隣住民が事態を察知、グループチャットで互いに連絡を取り合い、ICEが逮捕対象とした男性を囲もうと試みた。
目撃者によると、約15人が建物の外の通りへ集結したが手遅れだった。人々は車の前方に立ち塞がろうとし、工事用バリケードなどの障害物を進路に引きずり込んで妨害したが、車両は車前方に3~4人が立っているにもかかわらず、ゆっくりと前進し続けたという(ICE捜査官の間では常態化した手法)。現場の映像は、人々が車に飛びかかっても車両は走行を続け、やがて運転手は人間のバリケードに隙間を見つけ、アクセルを踏み込んで逃走した模様を捉えている。
移民取締りの目撃情報を記録する団体「NYC ICEウォッチ」の広報担当によると、活動家たちは同7時30分ごろ、クリントンヒルのワシントンストリートとウィロビーストリートの近くでICEの車両に追いつき、再び進路を阻止しようとして現場は混沌とした状態となった。少なくとも1人のICE職員が催涙スプレーを使用し、民間人が負傷した。
一方、ニューヨーク市警察(NYPD)よると、現場で交通を妨害する騒乱集団を報告する911通報を受け、後に調査のため到着したという。情報筋によると、警官がクリントンヒルの交差点に近づくと、15~20人の集団が自転車を使って道路上で1台のICE車両を封鎖しており、後続車両も巻き込まれていた。中には車両の上に座り込む者もいたという。NYPDは現場到着までICEの活動に気づかなかったと述べている。この騒ぎの中で、自転車で警官を叩こうとした1人が逮捕された。amニューヨークの問い合わせに25日、NYPDの広報担当は「NYPDとICEの間に協力関係は存在しなかった」と述べている。また、マムダニ市長の事務所にコメントを求めたが、回答待ちの状態。マムダニ市長はこれまで、ICEの活動に反対する立場を公に表明し、ICEとの協力を禁じる市の聖域都市政策を支持してきた。(25日付amニューヨーク)

コロンビア大では虚偽の理由で大学建物内に侵入
コロンビア大学のクレア・シップマン暫定学長は、連邦捜査官が「行方不明者」の捜索を理由に建物の立ち入りを偽って許可されたと大学当局が判断したと述べた。同大学は現在、詳細を収集中。
州議会議員は、大学関係者から「連邦捜査官が警察署の警官を名乗っていた」と伝えられたと述べた。
拘束された学生エリー・アガエワさんは神経科学と政治学を専攻する4年生。友人らが教職員組織「全米大学教授協会」に発表した声明で明らかにした。
声明によると、アガエワさんはビザを持つ留学生。コロンビア大学所有の西121丁目アパートから連行された模様。アガエワさんは自身のInstagramアカウントに1秒間の動画を投稿。車内で撮影された映像に「移民局が私を違法逮捕した。助けて」とのキャプションを添えた。
アガエワさんの拘束は、数カ月間の比較的静かな状態を経て、コロンビア大学キャンパスにおける移民取締りが大幅に強化されたことを示すものとみられる。2025年3月には、コロンビア大学を卒業したばかりのマフムード・ハリルさんが、大学の寮ビルのロビーで拘束された。
シップマン暫定学長の声明によると、拘束は午前6時30分ごろに発生し、大学側は学生の家族への連絡と法的支援の提供に取り組んでいる。裁判書類によると、アガエワさんの弁護士は26日、マンハッタン連邦裁判所に緊急申し立てを提出し、拘束からの解放を求めている。(26日付ニューヨークタイムズ)
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