ニューヨークでフードデリバリーは既に日常の一部になりつつある。ニューヨークタイムズによると、アメリカではレストラン注文の約75%が店内飲食ではなく、デリバリーやテイクアウトなど店外で消費されているという。こうした「デリバリー時代」の中で、ニューヨークに住む日本人はどの程度フードデリバリーを利用しているのだろうか。

アメリカ人のフードデリバリー事情
アメリカ人の約3分の1が、週1回以上デリバリーを利用
全米レストラン協会が発表したデータによると2024年におけるアメリカ人のレストラン注文の約4分の3が店内飲食ではなく、デリバリーやテイクアウトなど店外で消費されていた。また、フードデリバリーを利用する世帯数はパンデミック前の2019年と比べてほぼ倍増し、アメリカ人の約3分の1が週1回以上デリバリーを利用すると回答している。

デリバリーを好意的に利用しているパターン
アトランタに住む共働きで2人の子どもを育てている夫婦は、料理する時間がほとんどないため週約700ドルをデリバリーに使っているという。また、友人同士で料理をシェアしたり、遠距離恋愛中の恋人とFaceTimeで同じ料理を注文して一緒に食べたりするなど、新しいコミュニケーションの形としてデリバリーが利用されることもある。
さらに、カリフォルニア州に住む60歳の女性は「もう料理をするつもりはない」と語り、Amazon配送、食事のデリバリーなど生活の多くをオンライン注文に頼っている。外出時にはテスラの自動運転機能を利用しており、「ロボット家政婦がいれば完璧な生活になる」と話す。
支出の約3分の1がフードデリバリー、罪悪感も
フードデリバリーの普及によって、人々が料理に費やす時間は平均で約9%減少したとの調査結果もあり、食材や料理そのものへの理解が薄れていく可能性もあるという。
ロサンゼルスで働く36歳の男性は、年間支出の約3分の1がフードデリバリーだったことに気付き、利用を減らしたという。料理を始めた彼は、「料理には時間がかかるが、その方が大人らしい感じがする」と語っている。
ニューヨークタイムズは、フードデリバリーが単なる便利なサービスではなく、人々の生活習慣や価値観そのものを変えつつあると指摘している。
NY在住日本人のフードデリバリー事情
こうした“デリバリー時代”の中で、ニューヨークに住む日本人はどの程度フードデリバリーを利用しているのだろうか。本紙では、日本人在住者を対象にしたアンケート調査を行い、デリバリーを巡る実態を調査した。

デリバリー利用経験者は約7割
フードデリバリーを利用したことがある?

約7割が利用経験ありと回答した。Uber EatsやDoorDashなどのサービスが広く普及しているニューヨークでは、日本人コミュニティーでもフードデリバリーは、既に身近な存在になっていることが分かる。
利用頻度は「月1〜2回」が最多
どのくらいの頻度で利用する?

「週1回以上」利用している日本人は24%にとどまり、アメリカ人と比べて利用頻度はやや低い傾向が見られた。日本人は自炊をする人も多く、デリバリーは日常的な食事というよりも、忙しいときの“便利な選択肢”として利用している人が多いようだ。
利用シーン1位は「1人で家にいるとき」
どのような場面でデリバリーを利用する?

デリバリーを利用するシーンについて聞いたところ、「1人で家にいるとき」が最も多かった。ニューヨークでは単身赴任やひとり暮らしの日本人も多く、外食せずに自宅で手軽に食事を済ませたいときにデリバリーを利用するケースが多いとみられる。また、それと同じくらい多かったのが「その他」で、具体的な利用シーンについてもさまざまな声が寄せられた。

日本人は“便利なご褒美”として利用
読者から寄せられたコメントでは「基本は家でご飯を作るが、作れないときに利用。金曜や週末が多い」「ご飯を作りたくないときや、特定の店のものが食べたくなったとき」といった声が多かった。
ニューヨークタイムズの記事では、デリバリー文化が人々の食生活を大きく変えつつあると指摘しているが、今回のアンケート結果からは、ニューヨークに住む日本人の場合、デリバリーは日常の食事というより“忙しい日の助け”や“ちょっとしたご褒美ご飯”として利用されている傾向がうかがえる。
文/藤原ミナ
















