ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、ブルックリンとクイーンズを結ぶ新たなライトレール「インターボロー・エクスプレス(IBX)」の設計と環境調査が進んでいると発表した。環境への影響をまとめた報告書案は、予定を早めて2026年10~12月に公表される。

IBXの駅の完成イメージ(photo: MTA)

マンハッタンを経由せず移動

IBXは、ブルックリンのアーミー・ターミナルとクイーンズのルーズベルト・アベニューを結ぶライトレール路線。既存の貨物鉄道用地を活用して18駅を新設し、地下鉄17路線、ロングアイランド鉄道(LIRR)、51のバス路線と接続する。沿線地域には約90万人が暮らしており、平日の利用者数は1日当たり16万人以上と見込まれている。完成すれば、マンハッタンを経由することなく、全区間を約32分で移動できる。

全18駅をバリアフリー設計に

新設される18駅はすべて、車いすやベビーカーの利用者を含め、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインを採用する。幅の広い改札口や大型の通り抜け型エレベーター、ホームと車両の段差をなくした乗降、誘導用の点字ブロック、明るい照明、デジタル案内表示、音声案内などを取り入れる。さらに、IBXと接続するブロードウェー・ジャンクション駅など既存の地下鉄4駅でもバリアフリー化を進め、IBXの開業前に工事を完了する計画だ。

総事業費は55億ドル

IBXの総事業費は約55億ドルと見積もられている。MTAの2025~29年設備投資計画では、このうち27億5000万ドルの事業費が承認された。2025年10月に始まった設計作業には約2年かかる見通し。MTAは2026年内に環境影響評価書案(DEIS)を公表し、その後、ブルックリンとクイーンズで住民説明会を開いて意見を募る。

IBXが完成すれば、ニューヨーク市内だけで完結する新たな都市交通路線としては、1937年に全線開通した現在の地下鉄G線以来、約90年ぶりとなる。