スウェーデンのヨーテボリ大学を拠点とする世界有数の研究グループ、民主主義の多様性研究所(V-Dem)が毎年発表する「デモクラシーレポート(民主主義に関する報告書)」2026年度版がこのほど発表され、研究者たちは「アメリカで現在、民主主義が解体されているスピードは近代史において前例のないもの」で、アメリカの表現の自由は「第二次世界大戦終結以来、最低水準にある」と断じた。CNNなど主要メディアが18日、伝えた。

報告書では、アメリカを含む43カ国が「独裁化」している一方で、民主化が進んでいるのはわずか12カ国にとどまると結論付けた。研究者らは詳細なデータセットをまとめ、計202の国と地域について「自由民主主義指数」のスコアを算出。報告書では現状を「人間の経験とグローバルガバナンスの重心が、権威主義へと大きくシフトしている」と述べている。
最初に倒れるドミノ
V-Demは、世界で人口が最も多い5カ国のうち4カ国(インド、中国、インドネシア、パキスタン)は独裁国家と評価。5番目のアメリカは、トランプ大統領が再選された最初の1年間に起きた変化により、「自由民主主義国家」としての地位を失い、現在は「選挙民主主義」となっている。研究者らは、トランプ氏の第1期は「基盤作り」で、第2期は「大統領権限の急速かつ積極的な集中」が見られ、第1期と比べてはるかに重大な意味を持つものだったとしている。
トランプ政権では、連邦政府による公民権保護の撤回、左派系団体の弾圧の試み、共和党が支配する議会の下でトランプ氏に対する立法上の制約が大幅に弱まったと断定。そのうちの多くの側面は表現の自由に関連しているとした。「報道機関、学界、市民的自由、異論を唱える声に対する攻撃」が全てに影響を及ぼしているとしている。V-Demは、政府によるメディアへの検閲を、世界中の独裁者や独裁を志向する者たちが「好んで用いる武器」と表現。表現の自由の権利は「国が独裁化していく際に最初に倒れる『ドミノ』となることが多い」と述べている。
V-Demは、民主主義が後退しつつある国々において、「直接的な検閲や迫害を回避するための予防措置」であるメディアの自主規制が、アメリカを含む約40カ国で深刻化する問題となっているとも指摘。トランプ氏は、報道機関やその他の機関が自分に対して偏見を持っていると頻繁に主張している(直近の例では、トランプ氏がイラン戦争に関する報道が偏向していると非難したことを受け、連邦通信委員会のカー委員長が放送局の免許を取り消すと脅迫)。
日本は「自由民主主義国家」と評価
日本は民主主義が尊重される「自由民主主義国家」と評価された31カ国の一つで、アジア地域では韓国と台湾だけだった。北欧諸国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)とEU(欧州連合)加盟国(ベルギー、アイルランド、ドイツ、オランダ、スペイン、ルクセンブルグ)がランクイン、オーストラリア、スイス、ニュージーランド、コスタリカなども同様の評価だった。
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