日本クラブは6月1日、5番街の源吉兆庵ニューヨークビル内に新会館をオープンした。ロックフェラーセンターやセント・パトリック大聖堂のすぐそばでアクセスも抜群、最高の立地だ。1905年の創設から120年。新たな拠点には、創設当時から受け継がれてきた「日米をつなぐハブ」としての役割を、次の時代へ発展させたいという思いが込められている。

日本クラブを創設したのは、タカヂアスターゼやアドレナリンの研究で国際的に知られ、アメリカで実業家としても成功した高峰譲吉博士。高峰博士は、科学や産業を通じて日米の橋渡しをに力を注いだ人物でもあった。創設当初から日本クラブは、単なる社交団体にとどまらなかった。日米間の貿易や投資が広がり始める中、ニューヨークで活動する日本人実業家、外交関係者、知識人らが集い、情報交換や人的交流を深める場として機能した。日本とアメリカをつなぐビジネス・文化交流の拠点として、その歩みを重ねてきた。

新しく日本クラブの会長に就任した、河手哲雄さんは、「今回の移転を機に日本クラブは、これまでの120年の歴史をさらに発展させ、3つの結節点としての機能をさらに強化していきたい」と話す。
一つ目は、「ビジネスの結節点」としての機能のさらなる強化。日本企業の駐在員だけでなく、アメリカで活躍する日系人、起業家、専門職、次世代のビジネスパーソンなど、多様な人材が世代や業界を超えて交流できる場を目指す。
二つ目は、2世・3世を含めた日系アメリカ人や、日本に関心を持つアメリカのビジネス関係者にとっての「ニューヨークにおける日本ビジネスの結節点」だ。戦後の日系社会では、日本クラブをはじめとする団体が、企業人、専門家、文化人、地域コミュニティーをつなぐ役割を果たしてきた。新しくオープンした会館では、そのネットワークをさらに広げ、新たな協業や交流の機会を生み出していく。
3つ目は、ビジネスにとどまらない「日本との結節点」としての役割だ。日本クラブはこれまでも日本ギャラリーでの展覧会、文化講座、講演会、日本食イベントなどを通じて、ニューヨーカーに日本文化を発信してきた。新しい会館には新たなギャラリーや音楽ホールも設け、文化・芸術・教育を含めた幅広い交流の場として活用する予定だ。
事務局長の前田正明さんは、「今回のグランドオープンにあたり、従来のイベントホールやレストランだけでなく、カフェや、ギャラリー、ミュージックホールも併設した。気軽に、何度でも立ち寄っていただき、日本クラブの役割を強化していきたい」と抱負を語った。

5番街というニューヨークを象徴する場所に移った日本クラブ。高峰譲吉博士が築いた理念を受け継ぎながら、次の120年に向けて、ビジネスと文化の両面から日本とニューヨークを結ぶ新たな拠点づくりが始まっている。
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