ニューヨーク市のマムダニ市長と消費者・労働者保護局(DCWP)は7月10日、解約しにくい定期契約と、購入手続きの終盤で加算される「ジャンク料金」を規制する新たな消費者保護策を発表した。家計の負担軽減と価格表示の透明化が狙い。

最終決定された「クリック-トゥ-キャンセル」は、自動更新や継続サービスの契約を対象に、事業者へ契約条件の明確な開示と、簡単で分かりやすい解約方法の提供を義務付ける。無料体験が気づかないうちに有料契約へ移行したり、オンラインで何段階もの操作を求めて解約を諦めさせたりする仕組みを禁じる。ニューヨーク市によると、自治体として全米初の規則で、年間2150万~1億6250万ドルの節約につながるとの試算がある。10月1日から発効する。
家族の「ジャンク料金」は年間3200ドル
一方、ジャンク料金を巡る規則はまだ提案段階だ。商品やサービスの広告価格に、サービス料や処理手数料など、支払いが必須の料金を全て含めるよう求める。料金の目的、金額、返金の可否について誤解を招く表示も禁止し、事業者には各料金の使途を記録する義務を課す。料理宅配アプリ、ホテル、チケット販売サイトなどが主な対象となる。消費者レポートの調査では、隠れた料金による4人家族の負担は年間平均3200ドルに上るという。提案は7月8日に公表、8月7日に公聴会が開かれる。
違反は1件ごとに罰金525ドル〜
いずれの規則も、違反した事業者には被害を受けた消費者への返金と、違反1件につき525ドルからの民事制裁金が科される。市は、表示価格と実際の支払額を一致させ、事業者同士が公平に価格で競争できる市場作りにもつなげたい考え。利用者は契約条件や請求画面、解約手続きの記録を保存し、不審な請求があればDCWPに相談することが重要となる。
規則の対象となる事業者は?
判断基準は、本社・支店の所在地だけで決まるのではなく、問題となった契約やサービスがニューヨーク市内の消費者・取引とどれだけ結び付いているかだ。適用される可能性が高い例は次のような場合。また、対象には個人、法人、組合など広い事業体が含まれる。
• ニューヨーク市内の店舗やジムなどで契約した
• 市内の消費者に対して定期サービスを販売・提供している
• 市内の住所へ定期的に商品を配送している
• 市内在住者を対象にオンラインで自動更新契約を提供している
• 市内で広告、勧誘、契約、請求、サービス提供のいずれかを行っている
改善遅れた理由は事業者の利益優先
最大の理由は、解約を難しくすることが事業者の利益に直結するためだ。サブスクリプションでは、サービスをほとんど利用していない人からも自動的に料金を回収できる。解約に手間をかけさせれば、「後でやろう」と先送りする人や、諦める人が一定数出る。加えて制度上の問題や、解約の容易化を義務付けると、システム改修費や営業機会の喪失につながるとして、業界側の反対が強かった。
日本の消費者は守られているか?
日本でも、「解約方法が分からない」「電話がつながらない」「アプリを削除したのに請求が続く」といった問題をよく聞くが、現段階では、ニューヨーク市の新規則のように、原則として「申し込み時と同程度に簡単な方法で解約できなければならない」と一律に定める強力な規制はない。
日本で解約できない場合は、連絡を試みた日時、電話の発信履歴、解約画面、メール、請求明細などを保存し、(日本の)消費者ホットライン「188」に相談を。
















