侵略的外来種「ランタンフライ」が今年もニューヨーク市近辺で目撃されるようになった。専門家は、この害虫が出す排出物「ハニーデュー」も問題だと指摘している。ニューヨーク州農務局ではランタンフライの繁殖がこのまま続けば、農作物に与える被害は年間3億ドルに上ると試算している。18日、ゴッサミストが報じた。

photo: Rhododendrites
ランタンフライは樹液を貪って樹木を枯らす。樹液の余剰分は体外に排出される。これがハニーデューだ。ランタンフライを見かける地域で、樹木にベトベトの蜜のようなものが付着していたらハニーデューと考えてよい。時間が経つと、黒くにかわのように固まる。ランタンフライの姿を見なくても、このハニーデューがあることでランタンフライに被害を受けたことが分かる。
このハニーデューは樹皮には影響を与えないが、葉に付いて光合成を妨げ、植物の成長を止める。果物に付いた場合、売り物にならなくなる。ハニーデューは人体に悪影響はないとされているが、専門家は木の下を歩く際は、帽子やレインコート、傘を利用した方が良いとアドバイス。また、車や家のパティオなどに付いて固まると取り除くのが難しいと警告している。さらに、スズメバチなどがハニーデューに集まり、公園や住宅地に巣を作ることがあるから注意が必要だ。
州環境局は農薬を散布してランタンフライの駆除の努力を開始。ニューヨーカーにも「ランタンフライを見たら踏み潰して」と協力を呼びかけている。連邦当局は天敵の導入も検討中だ。ただし、ハニーデューはミツバチが集め、ハチミツの原料となる。ペンシルベニア州ではハニーデュー原料のハチミツが1ポンド当たり12ドルで販売されている。キャラメルを焦がしたような苦味があり、ピザやバーベキュー、鶏手羽の唐揚げに添えると美味しいという。また、漢方では薬効も認められている。
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