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マウントサイナイ・ヘルス・システムなど米国内の3つの医療機関は、アルツハイマー病新治療薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」の投与を手控えると発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが15日、伝えた。
同薬はバイオジェンが開発。軽度の認知症を遅らせる効果があるとして、6月に食品医薬品局(FDA)の承認を得た。その際、外部の諮問委員会や内部職員からの反対を押し切ったという経緯があり、FDAが調査を開始している。マウントサイナイは「FDAの承認の公正さに疑念を抱く」と説明。「患者の利益を鑑み」、この治療薬の投与を見合わせることにしたという。
オハイオ州のクリーブランドクリニックは「効果と安全性のデータを勘案して」使用を見送る。ワシントン州の52カ所で病院を運営するプロビデンスは薬効に加え、脳内出血などの副作用リスクや年間5万6千ドルに上る価格にも問題があると指摘。「患者には安全で効果的かつ安価なアルツハイマー病治療薬を提供したい。この薬はそれに当たらない」と結論づけている。
バイオジェンの広報担当者は「アデュヘルムを100%保証する。治験では承認に値するデータが出ている」と反論。「一部の医療機関で患者が服用できないのは非常に残念だ」と話している。
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