日本のデザイナー、土佐尚子さんが手がけるブランドNaoko Tosaが、ニューヨーク・ファッション・ウィーク(NYFW)に登場。Global Fashion Collectiveにてトップバッターを飾り、会場からは大きな拍手が寄せられた。

日本の伝統とテクノロジーをコラボレーションさせた先鋭的なデザインが特徴の同ブランド。今回は「防災ファッション」をテーマにした全13ルックが披露され、このコレクションが生まれた経緯を「非日常的な防災服がもっとカッコよければ、みんなが日常的に着るようになり、災害時に助かる命が増えるのでは?という思いがきっかけ」と、土佐さんは語る。

コレクションの中でも、観客の反応が大きかったLEDドレスは、京都の濵田工芸とタッグを組んで作られたもので、LEDテープライトが張り巡らされたデザインには「瓦礫の下に埋まっても、助かる確率が高くなったり、夜道の防犯としても機能するように」といった狙いもあるんだとか。

土佐さんは、今回のショーの手応えについて「GFCでのアートファッションの発表は今回で4回になりますが、1番好評でした。ロンドンのBBCやニューヨーク・タイムズの記者からも取材があったんです」と話しながらも、ファッションショーを継続して行くことの厳しさについても吐露。
「米国でブランド認知が定着するには、人々から忘れられないためにもコンスタントに発表すべきであるということと、ファッションショーはお金がかかるので、なかなか若いブランドのファッションショー参加が継続しないということを聞いていたので、まずは『継続は力なり』を実践してきました。予算や体力も限界まで使うので、いつも『これが最後でかもしれないので、後悔のない仕事をしよう』と頑張ってきましたね」と、ファッションショーに対する熱い思いを述べる。

この秋には、ニューヨークで単独のアートファッションパフォーマンスを上演するために、現在準備が進んでいるという。日本を形作ってきた文化や伝統をファッションやアートの力で具現化し、世界に発信し続ける土佐さん、今後の活動も楽しみだ。
取材・文・写真/ナガタミユ
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