2016年8月9日 NEWS DAILY CONTENTS

教会が低所得者用住宅に イタリア移民の歴史刻む場

 7日付のニューヨーク・タイムズによると、存続を求める声が上がっていた、1世紀以上前に建てられたブルックリン区の教会が解体されることが決定した。
 同区ブラウンスビルのサックマンとパシフィック通りの角に建つアワーレディー・オブ・ロレト教会をまとめる教区から土地を借りる団体、カトリック慈善向上人材育成法人によると、解体の正確な時期については未定であるものの、数カ月以内になることが予想され、解体後は、この土地に低所得者用住宅を建設する計画であるという。同教区は今年6月、ニューヨーク市建設局に解体の申請を済ませていた。
 1908年にイタリア移民により建設された同教会では、当初イタリア語でミサが行われていたが、同地域にアフリカ系やスパニッシュ系の住民らが増えてからというもの、スペイン語でミサが行われるようになった。礼拝者の数が減少したことから、教会に隣接して25年に建設された教区立学校は2007年に廃校となり、教会も09年に閉鎖されていた。
 同教区は過去にも、この教会を解体して88戸の低所得者用住宅を建設する計画を発表したが、支援団体の反対に遭い、教会を残し、その周りに64戸の住宅を建設することで10年に和解していた。

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