2012年3月29日 NEWS

「富豪税」選挙戦の争点に 議会、住民投票に持ち込む構え NJ州

 ニュージャージー州で検討されている、富裕層に対する税金の引上法案について、同州民主党議会が住民投票に持ち込む姿勢を強めていることが分かった。2013年度に行われる知事選に向けて展開が予想される「富豪税」導入の動きは、来年の優先的議題として注目される。

 昨年6月に同州下院議会により承認された同法案は、年間所得100万ドル以上の州民を対象に、最高税率を8・98%から10・75%まで引き上げるというもの。同州には年間100万ドル以上の所得者が約1万6000人いるとされ、同法案が導入されれば年間約6億ドルの税収益となる。

 民主党議会は、同州のクリス・クリスティー氏が知事に就任して以来、富裕層の税率引上を推進してきたが、同氏は経済の衰退につながるとし、一貫して導入を拒否。これに対し民主党議員らは、州憲法補正として13年に住民投票を実施する構えを見せている。

 下院議会多数党代表のルー・グリーンワルド氏は「知事が1%の富裕層を支持してきたため、州民は2年間待たされた」とコメント。また昨年、同法案を提案したシャーリー・ターナー上院議員は「答えは明らか。州民は投票を待ち望んでいる」と、住民投票による同法案導入への自信を見せた。

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