マンハッタン区内とボストン、フィラデルフィアなどのニューヨーク近郊都市を結ぶ格安バス「メガバス」の運行を巡り、また新たな問題が起きている。先日、ポートオーソリティーターミナルを発着点とする競合のバス会社数社が営業の妨害になるとして、ニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)の運営委員会に、メガバスの一般路上での乗り降りを禁止するよう訴えた。
メガバスなどの格安バスは一定のバス停留所を持っておらず、路上で乗客の乗り降りをしているため、交通渋滞を引き起こしたり、バス停周辺の環境汚染を促すなどとして長年にわたり周辺住民から苦情が寄せられ、そのたびに停車場所の変更を余儀なくされてきた。現在では、グレイハウンドやピーターパンなど大手の中長距離バスの公式停留所となっているポートオーソリティーターミナルのすぐ側にある西42丁目の停留所で問題が上がっている。
PA委員会4は、ニューヨーク市交通局にメガバスの同地での運行続行を阻止するよう働き掛けている。その理由として、メガバスの乗客の長い列がポートオーソリティーターミナル内に拠点を置くバス会社の乗客や運行の安全を妨げていること、ターミナルの使用料を全く払っていないにもかかわらず、メガバスの乗客が施設を利用していることなどを挙げている。また、メガバスも競合他社と同様に同ターミナルの使用料を支払うべき、と主張している。
これを受けメガバス広報のジョージ・レンス氏は、「当社には乗客やバス停留所の周辺住民などからの苦情は届いていない」と述べ、論理的な理由があれば迅速に対応する意向を表明した。
メガバスのサービスについて一般からは、「安いに越したことはない」「混雑したターミナルに入らなくて良いから便利」という肯定的な意見と、「雨さらしの外でスーツケースに腰かけてバスの到着を待たなければならない、という点を改善してほしい」など否定的な意見に分かれている。
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