キュウリや卵に関連したサルモネラ菌の集団感染や汚染の可能性による自主回収など食中毒に関するニュースが絶えない。夏が近づくにつれ増加する食中毒について13日付けのCNNが、同社のウェルネス専門家、レアナ・ウェン博士にインタビューし解説している。ウェン博士は、過去にボルティモアの保健局長を務め、食品衛生の監督を担当。現在はジョージ・ワシントン大学の臨床准教授。

夏は細菌がより早く増殖するため、食中毒が増える傾向にある。さらにバーベキューや屋外でのイベントなど食品を扱う機会が増え、適切な調理や保存が不十分だったり、食品を長時間放置したりすることもある。これらが食中毒の原因の一つとなる。
食中毒の最も一般的な原因はウイルス、細菌、寄生虫などの病原体だ。米疾病管理予防センター(CDC)によると、アメリカでの食中毒の約半数がノロウイルスに関連しており、同ウイルスに汚染された食品や飲料を通じて、または感染した人が触れた物に手を触れた後、口に触れることで人から人へ感染する。また、食器の共有でも感染する可能性がある。
細菌による食中毒は、生または加熱が不十分な食品の摂取により発生する。他の食中毒は、食品中の細菌汚染が原因。食中毒の原因となる一般的な細菌には、カンピロバクター、リステリア、サルモネラおよび E. coli がある。食中毒の症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹部のけいれんなど。原因や個人の健康状態によっては発熱、血便、脱水症状などが現れ、基礎疾患を悪化させる可能性がある。
ほとんどの食中毒は自宅で治療可能。治療の鍵となるのは水分補給で、下痢の場合は、脱水症状を予防するために水分摂取を継続する必要がある。嘔吐があり、水分を摂取できない場合は、吐き気止め薬の服用が必要になる場合がある。
ただし、E. coli の中の一部の株、O157: H7 に感染した一部の人は合併症の溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することがあるので要注意。この症候群は腎不全などの不可逆的な健康問題を引き起こしたり、最悪の場合は死に至ることもある。医師に連絡すべき症状には、「水分を摂取できない」「3日以上続く下痢、高熱、血便」など。乳児、高齢者、慢性疾患のある人は、早期に受診すること。
食品の安全対策も怠らないようにしよう。リコールについてのニュースには常に注意し、もし対象の製品を購入した場合は、絶対に摂取しないこと。連邦政府の注意喚起だけでなく、地元の保健所からの情報も確認すること。野菜や果物などの食材は洗ってから皮をむく。肉や魚は、推奨される温度まで加熱する。生肉や生魚に使用する調理器具や食器には注意し、他の食品には使用しないこと。
細菌は室温で急速に増殖する。食品を室温で放置できるのは最大2時間まで。屋外で気温が非常に高い場合は1時間まで。また、殺菌処理されていない「生」の牛乳や生卵は避けること。
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