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不法滞在者の身分証明を目的とし、ニューヨーク市が発行する身分証明書「IDNYCカード」の発行が、12日から正式に開始された。これにより、これまで政府発行の身分証明書を持てなかった不法滞在者やホームレスなどが、銀行口座開設やクレジットカード発行、アパートの賃貸契約などの手続きを行うことができるようになる。またこれにより、処方薬の割引、市の建物への出入り、動物園や博物館での割引、市の公立図書館の利用など、各種特典を受けることができる。
カードの申請は14歳以上の市の住人なら誰でも可能で、市内の各受付所で行うことができる。今年中の申請は無料だが、将来的には有料化の可能性がある。申請には、自国で発行されたパスポートまたは出生証明書、運転免許証などの身元証明、光熱費の請求書など、市に居住していることを証明する書類が必要とされる。
カードには、表にブルックリン区とクイーンズ区を中心に置いた市の地図、裏には市のランドマークであるブルックリン橋がデザインされている。
不法滞在者用のIDカードを市が発行するという条例案は、昨年6月に市議会で可決された。コネチカット州ニューヘイブンとカリフォルニア州サンフランシスコでは、既に同様のIDカードが導入されており、市はこれらのシステムの一部を参考にした。
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