2025年11月20日 DAILY CONTENTS Miki COLUMN

『ちょっと得するNY20年主婦のつぶやき』(17)これがアメリカ流!ホリデーシーズンに知っておきたい“贈り物マナー”

サックス・フィフス・アベニューのホリデー・ライト・ショー。昨年は中止されていましたが、今年は11月24日から再び開催となります(2016年撮影)

アメリカでは、11月末のサンクスギビングが終わると、街が一気にホリデームードに包まれます。
家々の玄関にはリースが飾られ、スーパーマーケットには赤と緑のラッピングが並びます。
そしてこの時期、人々は“感謝の気持ち”を形にして伝える準備を始めます。

11月になると、ホリデーの飾り付けをしてくれる専門業者からダイレクトメール(DM)が届きます。アメリカでは外装のイルミネーションをプロにお願いする家庭も多いのですが、これがなかなか高額で…。それでも、多くの人が「ホリデー気分をシェアしたい」との思いからライトアップを楽しみます。写真は今年わが家に届いたDM

学校での“ありがとう”文化

生徒や保護者が冬休み前に、先生にカードや小さなプレゼントを個人的に贈るのが恒例です。
Class Mom(クラス係)がいる場合は、保護者から集めたお金で、共同のギフトを用意することもあります。人気のギフトは20〜30ドル以内のもの。教室で使える文房具や、Target、Starbucks、Amazonなどのギフトカードが定番です。子どもが描いたカードや手作りオーナメントも喜ばれます。

渡す時期は、冬休みの1週間前から最後の授業日あたり。クラスパーティーやイベントの日に手渡すことも多いです。

中学生以上になると、科目ごとに先生が分かれているので、渡したい先生の名前を書いたカードを添えてまとめて(子どもに)学校へ持たせたり、生徒が直接渡します。PTAが「Gift Drop Box(ギフト回収箱)」を設置する学校もあります。

本屋さんもクリスマスの雰囲気一色です

日頃お世話になっている人へ

ホリデーシーズンは、学校の先生だけでなく郵便配達員、ごみ収集員、アパートのドアマンや管理人など、日々の暮らしを支えてくれている人たちにも感謝を伝える時期です。こちらは、だいたい12月中旬〜クリスマスの前に渡します。

郵便配達員(USPS):現金は禁止されており、20ドル未満のギフトカードやお菓子が喜ばれます。直接渡したり、「To Our Mail Carrier」と封筒に書いて、ポストボックスに入れておきます。

ごみ収集員(Sanitation Workers):20〜30ドルの現金またはギフトカードが一般的です。

直接渡すか、封筒をごみ置き場の見える場所に貼って渡す方法があります(地域のルールは要確認)。
私の周りでは、ごみ箱の札の裏に封筒を貼り、現金やギフトカードを人数分入れておくのが一般的です。ただ、最近は紛失の心配も増えているため、できれば直接渡すのがおすすめです。とはいえ、彼らとタイミングよく会えるとは限らないので、日を決めずに、会えたときに渡せるよう準備しておくと良いと思います。皆さん忙しいので、一人ずつではなく、ドライバーにまとめて渡せばいいと思います。

アパート管理人(Superintendent / Doorman / Maintenance):スーパーインテンダント:50〜100ドル、ドアマン:30〜100ドル、メインテナンス:30〜50ドル(高級アパートの場合は、もっと額が高くなりますが)。現金やVisaギフトカードが人気。この時期になると、管理人全員の名前が書かれた手紙が、各ユニットに届きます(笑)。封筒に名前を書き、カードを添えて直接渡すか、管理人に預けて渡してもらう方法が一般的です。

その他に感謝を伝える相手として…

習い事の先生、ベビーシッター、アフタースクールのスタッフ、スポーツチームのコーチ、ハウスキーパー、庭師なども定番です。加えて、配達サービスのスタッフなどにも、小さなギフトを贈る家庭も多く見られます。

職種を問わず使える万能メッセージの例

1) Thank you for all you do. Happy Holidays!
2) Wishing you peace, joy, and warmth this holiday season.
3) Thank you for your hard work. Wishing you a wonderful holiday season!
4) Happy Holiday! Thank you for everything this year.

近所の人へ

クリスマスの1〜2週間前ごろ、お菓子や小さなケーキ、家族写真入りのグリーティングカードを交換する家庭が多いです。このカードのために、プロのカメラマンを雇って家族写真を撮る人も珍しくありません。

「チップ」ではなく「寄付(Donation)」の場合

消防署や警察署、図書館、コミュニティセンターは規則上チップを受け取れないため、寄付という形で支援します。この時期になると、ドネーションの案内が郵送されてくることもあります。

その他、寄付(Donation)依頼がある主な団体

食料支援 Food Bank (Local Food Pantry, Feeding America)
社会支援団体(Habitat for Humanity, United Way, Local Homeless Shelter)
動物保護団体(ASPCA, Local Animal Shelter / Humane Society)
高齢者福祉やシニア支援の団体(Meals on Wheels America, AARP Foundation)

こうした「Giving(与えること)」の精神こそが、ホリデーシーズンの本質です。

サックス・フィフス・アベニューのホリデー・ライト・ショー。昨年は中止されていましたが、今年は11月24日から再び開催となります(2016年撮影)

ホリデーに込められた本当の意味

アメリカのホリデーシーズンは、「感謝、分かち合い、つながり」を大切にする時期であり、家族や友人と過ごすだけでなく、周りで助けを必要としている人に手を差し伸べる季節でもあります。

【今日のひとこと】

私がホリデーの季節にいつも思い出す言葉があります。

「今のあなたの普通の一日が、誰かにとっては切実な願いかもしれません」

感謝の気持ちを胸に、日々の中で気づけなかった人たちへも目を向け、小さな支援を届けながら一年を終えられたら素敵だと思います。

その小さな一歩が、誰かにとって大きな支えになると思います。

そしてきっとあなた自身の心も、少し温かくなるはずです。

                       
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