コンサルタント会社レゾナンス(Resonance)は5日、「2026年世界のベストシティ」ランキングを発表、ニューヨークが2位に輝いた。1位はロンドン、3位はパリ。東京は4位だった。

対象は人口50万人以上の全世界の100都市。繁栄度や住みやすさ、人気度などの視点から分析して番付した。ニューヨークに関しては、「政治的に厳しい状況にもかかわらず、文化経済やインフラに継続的に投資している」ことを評価した。
NYのどこが評価されたか
ツーリズム:観光業は完全復活の勢いで活気づいており、2024年に約6500万人の訪問者を迎えたニューヨークは国内旅行が堅調な一方で海外からの観光客減が影響し、25年は約6410万人を見込んでいる。ただし、旅行者による経済効果は依然として堅調で、市の統計によれば700億ドルを超える。190億ドル規模のケネディ国際空港・新ターミナル1プロジェクトは26年半ばの部分開業に向け急ピッチで進行中。発着ゲートやラウンジが増えて、空の旅はさらに快適になる。
インフラ・都市計画:マンハッタンの混雑課金はニューヨーク州都市交通局(MTA)の684億ドルに上るインフラ投資を支え、遅れていた地下鉄の信号設備や駅アクセスの改善も実現する見通し。高さ423メートル・60階建てのJPモルガン・チェース本社ビルがパークアベニューに完成。ファイザーの旧本社も1602戸のアパートに改築され、ハドソンヤードにはカジノ建設計画が浮上。ウィリアムズバーグなどのウォーターフロントでも温暖化対策が進んでいる。
文化:ランキングのサブカテゴリーである、劇場&コンサート部門で第2位を獲得。最近オープンしたハーレム・スタジオ美術館やニューミュージアムの増築などが注目を集めている。8億5000万ドルを投じたメトロポリタン美術館の新館建築計画も30年の公開に向け着々と進捗。26年にはハドソン川対岸・ニュージャージー州イーストラザフォードのメットライフスタジアムでワールドカップの決勝戦も開催、世界中からニューヨークにファンが集まることが予想される。
東京のどこが評価されたか
ツーリズム:東京への関心は世界的に高く、円安を背景に2024年の訪日客数は約3700万人と過去最高を更新、25年も各月で記録を塗り替えている。羽田空港と新木場駅を結ぶ「羽田アクセス線」は31年開業を目指し建設中で、完成すれば都心まで約20分。空港の案内改善や拡張も進み、世界屈指の定時性を誇るハブとして存在感を高めている。
インフラ・都市計画:東京高速道路(KK線)を空中緑道に改修する「東京スカイコリドー」は、30年代前半に一部開業を目指しており、日本橋周辺の地下化工事と連動し今世紀後半の初期開通を目指す。完成前段階からの試験的プログラムや区間ごとの開放により、銀座・京橋エリアの活性化を想定。渋谷では100年に一度の再開発が佳境を迎え、歩行者デッキや商業・オフィスビル化が進み、巨大ターミナルの回遊性が向上している。神田川やお台場の水辺再生も進み、都市と自然の共存が深まっている。
商業・食分野:ホテル・商業分野も活況で、麻布台ヒルズにはアマン系ホテルJanu Tokyoが開業。エルメスの大型店などが高級消費を牽引している。ランキングのサブカテゴリーであるレストラン部門では第1位を獲得。
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