物価上昇や関税問題、景気の不透明感が続く中、ブラックフライデーの売り上げが前年に比べて加速したことが明らかになった。データ収集・分析プラットフォーム、アドビ・アナリティクスのデータによれば、今年のブラックフライデーのオンライン購入額は推定118億ドル(前年比9.1%増)、感謝祭当日のオンライン支出は64億ドルだった。現金・クレジットカード・デジタル決済を横断的に測定するマスターカード・スペンディングパルスの別の指標では、ブラックフライデーのオンライン売上高が前年比10.4%増、店舗売上高が1.7%増となった。小売業者が大幅な割引を推進した結果、衣料品と宝飾品が支出上位カテゴリーに名を連ねた。11月29日付のニューヨークタイムズが伝えた。

一部の消費者が依然として高額ギフトに散財する傾向もある中、生活必需品や低価格商品に注力するチェーン店は引き続き好調を維持している。写真はイメージ(photo: Unsplash / Arthur Tseng)
経済学者らは、史上最長の政府機関閉鎖、低所得者向け栄養補助プログラム(SNAP)給付の変更、雇用市場の弱体化といった経済的課題が存在する中、今年のホリデー商戦を景気動向の指標として注視。今年のブラックフライデーは好調な売上を記録したものの、アナリストらは「小売業者のホリデーシーズン全体の業績を反映するものではない可能性がある」と見ている。
ブラックフライデーにおける購入品にも選り好みが出ている。小売向けソフトウェアのプロバイダー、ショッピファイ(Shopify)のリアルタイムデータによると、11月28日に取引量のトップだった商品カテゴリーは、ビタミン剤、Tシャツ、スキンケア関連商品だった。最も恩恵を受けたのはディスカウント小売業者で、分析会社プレイサーAIによれば、TJXカンパニーズ、バーリントンストアーズ、ロスストアーズなどのチェーン店は、値引き志向の買い物客が高価格商品から買い替えを行う中、好調なシーズンをスタート。デロイトコンサルティングのプリンシパル兼小売戦略リーダー、ブライアン・マッカーシー氏は「バリュー(値ごろ感)がホリデーシーズンの中心であり続ける」と指摘している。
売り上げ増には人工知能(AI)を活用したショッピングも大きく貢献した。ターゲット、ショッピファイ、ウォルマートなどの小売業者は、年末商戦前にOpenAIと提携し、お得情報の検索や商品提案を容易化。セールスフォースの報告によれば、ブラックフライデー期間中のサードパーティ製AIエージェント経由のトラフィックは、アメリカ国内外ともに前年比300%以上急増したという。
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








