一時帰国を「判断の場」ではなく「材料集めの場」に
帰国生として中学入試や高校入試を意識し始めた保護者から「日本に一時帰国した機会を、今後の進路を考えるために有効に使いたい」といった声をよく聞きます。限られた滞在期間の中でプライベートな時間や各種手続きもこなしながら、せっかくなら将来につながる経験を持ち帰りたいと考えるのは自然なことです。一時帰国は、何かを決断する場というよりも、考えるための材料を集める貴重な機会だと捉えると、気持ちに余裕が生まれます。
学校見学では「登下校の姿」にも目を向ける
可能であれば、実際に学校の雰囲気を体感することをおすすめします。学校説明会や文化祭、校舎見学はもちろんですが、意外と参考になるのが登下校の時間帯です。正門付近や最寄り駅までの道で見かける生徒たちの様子からは、教室の中とは異なる「日常の姿」が見えてくることがあります。友人同士の距離感、表情、会話の雰囲気などは、その学校で過ごす毎日を想像する大きな手がかりになります。資料だけでは分からない空気感に触れることができるかもしれません。
一時帰国中に「やらなくてもよいこと」もある
一方で、一時帰国の間に全てを決めてしまう必要はありません。志望校を無理に一校に絞ったり、受験校の組み合わせを完成させたりすることを、この段階で求める必要はないのです。また、「せっかく日本にいるのだから」と、過度に多くの学校を回ったり、短期間で学習予定を詰め込みすぎたりすることも、必ずしも有効とは限りません。数をこなすよりも、「なぜ印象に残ったのか」「どこに違和感を覚えたのか」を整理する方が、後の判断につながります。
情報を持ち帰り、帰国後に整理しましょう
一時帰国の目的は、「結論を出すこと」ではなく、「考える視点を持ち帰ること」です。見て、感じて、メモに残し、帰国後に改めて家族で整理する。そのプロセスを経ることで、志望校選びはより落ち着いたものになります。全てを詰め込まなくていいのです。一時帰国で得た断片的な経験や印象が、後に大きな判断材料になることも多くあります。焦らず、一つ一つ積み重ねていく姿勢こそが、帰国生の進路選択を支える土台になるのではないでしょうか。
早稲田アカデミー ニューヨーク校
https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html
早稲田アカデミーNY校 川村宏一(かわむら こういち)

早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2002年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門で英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月から現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。お問い合わせはこちらまで(メール:newyork@waseda-academy.com)
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