ニューヨーク市内に、かつてないほどサウナが増えてきている。しかし、ニューヨーカーがサウナに求めるものは、日本人が想像する「ととのう」感覚とはちょっと違う。ニューヨーク流サウナの楽しみ方とは?

ニューヨークで今、サウナが街のカルチャーとして存在感を増している。マンハッタンやブルックリンでは、同じエリアに複数の施設が集まり、「サウナ戦争」が起きていると業界内で語られるほどだ。次々と新施設が誕生するこの状況は、単なる一過性の流行ではなく、需要そのものが拡大していることの表れともいえる。
そんななか、ニューヨークタイムズで紹介されたあるコラムが話題になった。サウナ文化発祥の地であるヨーロッパ出身者が、ニューヨーカーのサウナを訪れた際、衝撃を受けたというのだ。水着姿でヨガのポーズを取る女性、音楽に合わせて体を揺らす人、ときにはDJまでいる空間。そこは、彼女が知っている「サウナ」とは全く別の場所だったという。ヨーロッパ(特に北欧)では、サウナは裸で静かに入り、家族や親しい人と長い時間を過ごす場所だ。会話を楽しむことはあっても、パフォーマンスや演出はない。ところがニューヨークでは、サウナはウェルネスと社交が交差する場所とされているというのだ。
サウナがブームを通り越し文化として定着している日本人からしても、ニューヨークのサウナに対しては同じ感覚になるかもしれない。水着着用・男女ミックスが基本。しかも、そこにいるのは友人やカップルだけではない。初対面の異性やカップルが同じ空間にいる。最初は、楽しみ方が分からずに戸惑ってしまうかもしれない。
そもそもニューヨーカーは、日本のように「高温→水風呂→外気浴」をストイックに繰り返さない。ミスト系サウナや岩盤浴のような低温サウナでだらだら過ごし、プールやラウンジを行き来しながら、時間そのものを楽しむ。「ととのう」より、それぞれが“大人の時間を過ごす”感覚に近い。
私自身、クルーズ船のサウナで似た体験をしたことがある。一人で静かにリラックスするつもりで入ったが、周囲はほぼカップルばかり。低温サウナで長時間寄り添い、マッサージし合ったり会話を楽しむ姿が目立ち驚いたことがある。
また、ニューヨークで今話題となっているBathhouseは、カップル御用達だ。クワイエットエリアにある大きなソファーでカップルが寄り添って昼寝をしていたり、バスタブでもカップルが熱い抱擁を交わしていたりする一方で、隣では一人で本を読んでいる人もいたりする。
結局、静かに一人で汗を流すのも、誰かと会話を楽しみながら過ごすのも、サウナの使い方の一つだ。あらゆるスタイルを受け入れてしまう懐の深さこそが、ニューヨークらしさなのかもしれない。この街では、「正しい入り方」を探すより、お気に入りのサウナを見つけて、自分らしく楽しむことが何よりも大切なのかもしれない。ニューヨーク流サウナの入り方は、自由の象徴ともいえる。
NYで話題のサウナ4選
Bathhouse
ニューヨークのサウナブームを象徴する存在。大規模でデザイン性が高く、サウナ、温冷プール、ラウンジが一体化。イベントやDJナイトもあり、社交色が最も強い。
Othership
ガイド付きの呼吸法やグループセッションが特徴。ウェルネスとコミュニティー形成を前面に打ち出し、健康志向の若者に人気。
Russian & Turkish Baths
1892年創業の老舗。伝統的なバーニャ文化を体験でき、現代型バスハウスとの違いがよく分かる。
SoJo Spa Club
近隣州からも訪れる人が多いニュージャージー州エッジウォーターにあるスパ(写真上)。ホテルやフードホールも併設。
写真・文/藤原ミナ
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