2026年1月30日 COLUMN 山田順の「週刊 未来地図」

山田順の「週刊:未来地図」2026年はビッグイベントイヤー どうなる高市内閣、トランプ政権、世界と日本?(完)

2026年の夏もまた気候変動、猛暑が世界を襲う

 ここ数年、夏の暑さが猛烈なものになったうえ、ゲリラ豪雨、大規模洪水、森林火災などが頻繁に起こるようになった。日本では、なんといっても猛暑で、2026年もまた記録的な猛暑が訪れることが予想されている。
 日本気象協会が発表した長期予報の要点をまとめると、次のようになる。
「2026年春は寒暖の変動が大きいものの、暑さの立ち上がりは早い見込み。夏は梅雨入り・梅雨明けが早めで猛暑となり、2025年と比べると、多雨傾向となる。晩夏から秋は残暑が厳しい一方で、長雨・台風に注意が必要」
 トランプがパリ協定から離脱し、ウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ戦争が継続するなか、世界の温暖化対策は後退している。COPも紛糾続きでまとまらない。
 そんななか、すでに世界の気温は、産業革命前比で1.5℃に迫り、2026年は確実に1.5℃を超えると予測されている。
 はたして、2026年はどれほどの気候変動が起こるのか?
 次の COP( COP31:国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議)は、11月9~20日、トルコのアンタルヤで開かれる。

アメリカ中間選挙でトランプがレイムダックに

 猛暑開けの9月末には、国連総会がある。すでに形骸化が著しい国連は、なにを決めても世界に影響力を持たなくなった。はたして、2026年秋までにウクライナ戦争の終結が成っているだろうか? トランプはいつも口だけ、ロシア寄りだから、もし成っていれば、世界はさらにバラバラになってしまう。力がすべてを決める世界が訪れる。
 そんななかで、アメリカの有権者はどんな判断をするのだろうか? 9月7日のレイバーデイを過ぎれば、アメリカの中間選挙は終盤戦となり、民主・共和間で激しい応酬が続くだろう。投票日は11月3日である。
 現状は、大統領と、上院、下院の過半数をいずれも与党共和党が握る「トリプルレッド」状態だが、これが崩れるのはは確実だ。民主党がほぼ間違いなく下院を制すると予測されている。
 民主党が下院における多数を取り戻したら、トランプはレイムダック化する。そして、2027年1月には、3度目の弾劾が予想される。11月中に、G20サミットがトランプの地元マイアミで開催されるが、中間選挙で共和党が負ければ、トランプはG20首脳たちの前で恥をかくことになる。

株価を中心とした資産バブルの崩壊はあるのか?

 2026年、投資家にとって最大の懸念は、2008年のリーマンショック級の金融危機、バブル崩壊が起こるのかどうかだろう。2020年のコロナ禍で、世界のマネーは大規模な金融緩和によって膨張した。そのマネーがいまや株を含め、あらゆる金融資産に向かい、金融バブルを引き起こしている。
 金(ゴールド)価格は、この1年で70%も上昇した。NYダウは2025年1月に約3万9000ドルだったが、11月には約5万1000ドルまで上昇した、日経平均の年初来の安値は4月7日の3万792円だったが、11月4日には最高値の5万2636円を付けた。
 なにしろ、相場を引っ張るエヌビディア(NVIDIA)の時価総額は、史上初めて5兆ドル(約760兆円)を突破したのだから、凄まじい高騰だ。NVIDIA1社で日本のGDPを超えてしまうのだから、バブルと言えばバブルであり、崩壊は間もないという見方がある。
 いま世界にはマネーが溢れている。その額、2021年末で約530兆ドル(約6京円)という。そして、2027年までに629兆ドルに達するという。
 このうち、不良債権に投じられているのがどれくらいあるかはわからない。最大で約3兆ドルという説がある。
もし暴落が起こるとしたら、牽引役となってきたNVIDIAなどのハイテク株。これが暴落すると、ノンバンク系の融資が一挙に不良債権化して、バブル崩壊→金融恐慌となる。

OECDの経済予測では世界の成長率は2.9%

 最後は2026年のGDP予測を記しておきたい。
 OECDが12月2日公表した、最新の「世界経済見通し」によると、世界経済の成長率について、2025年を3.2%、2026年を2.9%、2027年を3.1%と予測。2025年9月に発表した前回見通しから、2025年、2026年ともに据え置いた。
 アメリカの成長率は 2025年は2.0%、2026年は1.7%と予測されている。一方、中国は、 2025年は5.0%、2026年は4.4%に下がるとされる。ユーロ圏は、2025年が1.3%で、2026年も同じく1.3%とされている。
 では日本はというと、2025年は1.3%で、2026年から2027年にかけては外部需要の低迷により、年率0.9%に低下するという。
 はたして、2026年はどんな年になるのか?
 各種のビッグイベントがありながら、経済的には華々しいことはなく、2025年同様に低成長。そんな年なのではないだろうか。(了)

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山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

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