ニューヨーク市とニューヨーク州は現在、地下鉄における無賃乗車対策を「即効性のある現場対策」と「中長期的なシステム改革」の両面から進めている。キャシー・ホークル知事が発表した「15秒遅れて開く非常口」の設置は、非常口を利用した“スーパーハイウエー”型の無賃侵入を物理的・心理的に抑止する即効性の高い施策。導入以降、無賃乗車が減少するなど具体的な成果を上げている。

地元のニュースサイト、ゴッサミストによると、地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)は州政府による即効性の高い現場対策と歩調を合わせる形で、AI技術を中核にした次世代回転扉(Modern Fare Gates)の導入を見据えた大規模なシステム刷新を進めている。この計画は、長年にわたり無賃乗車の温床とされてきた従来型回転扉の構造そのものを見直すもので、現在は複数の民間企業が、総額約11億ドルもの大型契約の獲得を目指してコンペに参加している。
各社が提案する新型の回転扉は背の高いドア型構造を採用、物理的に飛び越えやすかった従来の回転扉とは一線を画す設計となっている。加えて、監視カメラや各種センサーを組み込み、無賃で通過したと判断される動きを察知した場合には、映像を自動的に記録するとともに、AIが通過者の行動や外見的特徴を分析し、データとしてMTAに送信する仕組みも取り入れる。単に無賃乗車を防ぐだけでなく、発生状況や傾向を可視化し、今後の対策に生かすことが狙い。
同システムは現在、一部の主要駅でパイロット導入しておりMTAは、実際の抑止効果や運用上の課題、利用者動線への影響などを検証中。短期的には非常口の改良や既存回転扉への追加対策によって無賃乗車の抑止効果を最大化しつつ、将来的にはAIを活用した構造的かつデータ主導型の無賃乗車対策へと移行することで、運賃収入の安定確保と地下鉄システム全体の持続可能性を高めたい考えだ
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