アメリカのスーパーで見かける食品の中には、ヨーロッパやアジアの国々では禁止または厳しく規制されている成分が含まれているものがある。アメリカの非営利団体フード・レボリューション・ネットワーク(Food Revolution Network)がまとめた資料によると、各国の食品安全基準の違いにより、アメリカでは一般的に使用されている添加物や化学物質が、他国では禁止・規制されているケースが少なくない。買い物をする際は、パッケージに記載された成分表示を確認するのを忘れずに。

1. 漂白小麦粉(Bleached Flour)
塩素などの化学物質で漂白した小麦粉。市販のパンやケーキなどに使われる。見た目や食感を良くする目的で使用されるが、加工過程で食物繊維や栄養素を含むふすま・胚芽が除去され、さらに漂白剤で栄養が損なわれるため、全粒粉に比べて栄養価が低く血糖値を急上昇させやすい。慢性的に摂取すると、栄養不足、肥満、消化不良、腸の炎症などのリスクを高める可能性があり、EU(欧州連合)では、食品用途での使用が禁止されている。
2. パン生地改良剤(Dough Conditioners)
臭素酸カリウム(パン生地を膨らませ、食感を向上させる効果)、アゾジカルボナミド(漂白・乳化剤)などの添加物。一部の成分には発がん性や毒性が懸念されている。特に臭素酸カリウムは国際的に危険視されており、EUでは禁止、日本では使用が厳しく制限されている。
3. プロピルパラベン(Propylparaben)
化粧品・医薬品・食品の防腐・防菌剤として広く使用されるパラヒドロキシ安息香酸エステルの一種。黄色ブドウ球菌やカビなどに対し強い抗菌性(静菌作用)があり、製品の変質を防ぎ安全性・安定性を保つ。皮膚への刺激性やホルモンバランスへの影響が指摘されており、EUでは食品用途での使用が禁止されている。
4. 人工抗酸化剤(BHA・BHT)
人工抗酸化剤のBHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ブチルヒドロキシトルエン)は、油脂の酸化防止に優れた効果を発揮する食品添加物。スナック菓子やシリアルなどに含まれることが多い。過剰摂取により内分泌系への影響や発がん性の可能性が指摘され、EUでは規制対象。
5. 人口着色料(Synthetic Food Dyes)

赤色40や黄色5などの人工着色料は、菓子や飲料の色を鮮やかにする目的で使用される。一部の研究では子どもの行動への影響が指摘され、EUでは使用制限や警告表示が義務付けられている。
6. 遺伝子組み換え作物(GMOs)
EUでは原則禁止していないが、厳しい安全審査を通過したもののみ認可。環境上の懸念から多くの加盟国が栽培を禁止・制限している。EU全体で栽培はスペインとポルトガルを除きほぼ皆無で、流通・表示は厳しく管理されている。日本では、国が安全性を確認した9作物(大豆、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモ、綿、テンサイ、パパイヤ、アルファルファ、カラシナ大豆、トウモロコシ)に限り輸入・流通・栽培を許可。
7. 農薬(Pesticides)
害虫対策として使用される農薬の中には、生態系への負荷や残留農薬を含む食品の摂取による急性・慢性中毒リスクが指摘されているものもある。EUでは一部の除草剤・殺菌剤の使用を厳しく制限している。
なぜ国によって違うのか?
食品添加物規制の考え方は国によって異なる。EUは「予防原則」を重視し、潜在的なリスクがある場合は使用を制限する傾向にある。一方、アメリカでは明確な危険性が証明されない限り使用が認められることもある。
日本の消費者ができること
日本では食品添加物は食品衛生法に基づく「ポジティブリスト制度」で管理されており、安全性が確認されたもののみ使用が認められている。ただし、今回紹介した成分の扱いは一様ではない。例えば、臭素化植物油(BVO)や乳牛成長ホルモン(rBST)は日本では食品用途での使用は禁止されている。一方、BHA・BHTや一部の合成着色料などは使用量の上限を設けたうえで認められているものもある。
そのため、アメリカの加工食品には日本では見慣れない添加物が含まれている場合もあり、在米日本人にとっては食品表記を確認することが食品選びの際の参考となる。
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