尿路感染症(UTI)を繰り返すとして抗菌薬を処方されている女性の多くは、実際には感染症ではない可能性があることが分かった。公共放送NPRが8月31日、伝えた。

ホルモン変化による炎症が85%
ロサンゼルス在住の泌尿器科医マリア・ウロコ氏らが、再発性UTIと診断された女性253人の診療記録を調べたところ、問題が膀胱や尿路に限られていたのは15%だけだった。一方、85%にホルモン変化に起因する外陰部の炎症、75%に骨盤底機能障害の兆候が見つかった。これらは排尿時の灼熱感、頻尿、強い尿意、下腹部痛など、UTIとほぼ同じ症状を引き起こすが、治療法は異なる。
培養結果待たず医師が広域抗菌薬を処方
見逃しの一因は検査方法にある。一般的な尿検査で分かるのは炎症の有無で、細菌感染を確定するには尿培養が必要だ。しかし、つらい症状を早く抑えるため、医師が培養結果を待たず広域抗菌薬を処方することがある。採尿時の洗浄や中間尿の採取が不十分なら、結果が正確でない恐れもある。抗菌薬には抗炎症作用もあるため、一時的に症状が和らいでも根本原因を治療しなければ再発を繰り返しかねない。不要な服用を重ねれば、副作用や薬剤耐性の問題にもつながる。
複雑なUTI診断
背景には、授乳期や更年期のホルモン低下の他、経口避妊薬、ニキビ・脱毛症治療薬、一部のがん治療薬などの影響がある。更年期泌尿生殖器症候群(GSM)では、膣や外陰部、膀胱、尿道の組織が変化し、骨盤底筋が過度に緊張する場合もある。ホルモン変化は善玉菌を減らし、本物の細菌性UTIの危険も高めるため、診断は複雑だ。
自己判断で抗菌薬中止せず原因の確認を
症状が続く場合は、尿培養で細菌が確認されたか、薬や更年期が関係していないか、外陰部と骨盤底を診察したかを医師に確認すること。必要なら泌尿器科、女性泌尿器科、婦人科、更年期医療の専門家に相談する。閉経移行期以降では、低用量の膣用エストロゲンやDHEAが適する場合もある。抗菌薬を自己判断で中止せず、原因を確かめた上で治療を選ぶことが重要だ。
英語での受診時には、過去の培養結果や抗菌薬の服用歴、使用中の薬を整理して伝えるようにしたい。
















