少量生産で、クオリティや背景、生産地にも特別こだわり、昔ながらの製法にインスパイアされたメンズウエアが増えるなか、その波はウィメンズの世界にも共感を得ています。なかでも私のお気に入りのテキサス発のおすすめウィメンズ・ブランド2つを紹介します!
「The Crowned Bird」はレトロでポップな世界観を、遊び心いっぱいに表現した、とびきりキュートなダラス発ブランド。「毎日がカラフルであるべきだと思うから、私の作る服は楽しい色使いがポイント。パナマ人の母とトルコ人の父のもとに育った私のルーツも大きく影響しています」とデザイナーのプリシラさんは希少なヴィンテージの生地を使用したり、アンチ・ファスト・ファッションのこだわりあるものづくりを行っています。オレンジの輪切り、動物クッキーが敷き詰められたプリントの生地を使った服は、「カワイイ!」とう言葉が自然に出てしまうハズ。ファッションデザイナーを発掘するNBCの人気テレビ番組『ファッション・スター』にも出演した彼女のバックグラウンドは、メンズウエアのビスポークという本格派です。サンフランシスコにある老舗テーラーのAl’s Attireで経験を積み、ユナイテッド・アローズやビームス・プラスなど日本との仕事にも関わり、メンズのクラフツマンシップに基づいた考え方や技術に共感したといいます。ダラスを拠点にする魅力には「コストをかけずに上質なものを作れる工場がたくさんあるんです」と目を輝かせます。
ヒューストン発レザー・ブランド、「Hatton Henry」。ミニマルかつ使い勝手の良いデザインに加え、サボテンを連想させる緑色のオーストリッチのレザー・ポケット、フリンジのチャームなど、ひとひねり加えたディテールの技が光ります。デザイナーのヴァネッサさんにそのルーツを聞くと、「私の祖父と曾祖父は100年ほど続いた乗馬のサドルを作るレザーメーカーG.H. Vaught & Sonをダラス郊外のロックフォールという街で営んでいました。ブランド名も彼らのミドルネームから」と、自身のルーツへの意識と、昔ながらの伝統と当時の丁寧なもの作りへの敬意がそこに。祖父が実際に使っていた工具を使って3年前から手作りで自宅で始めたレザーブランドは今ではオーダーがなかなか追いつかないほど人気だという。「現在原料の皮革はなかなかアメリカで調達し辛くなってきましたが、生産はこのヒューストン近郊ですることを何より心がけています」という。
彼女らのアトリエを訪れると、さまざまな生地の束とミシンに囲まれ、まさに手作り工房といった様子。大切に作られたものだからこそ、長く愛用したくなります。

フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。
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