2016年4月21日 NEWS DAILY CONTENTS

MTA職員のSAS検査を拡大 2013年の脱線事故からの教訓

 19日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は同日会見を行い、これまでメトロノース鉄道(MNR)の運転士を対象として行っていた睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査を、今後はMNRの車掌にも行うほか、ロングアイランド鉄道(LIRR)にも対象を広げ、州都市交通局(MTA)が実施すると発表した。
 MTAは、この検査を重要と位置づけ、安全対策を徹底するため、さらに対象者を広げることを決定したという。MTA安全管理部のデビッド・メイヤー部長は、「SASを早期に発見することが肝要で、適切な治療へつなげたい」と述べた。
 SASは睡眠中に呼吸が止まる病気で、その間、睡眠が充分に取れないことから、日中に強い眠気や倦怠感、集中力の低下を引き起こす場合がある。しかし自覚症状には個人差があるため、発見が遅れるケースも多いと言われている。
 米国家運輸安全委員会(NTSB)は、全米の鉄道で働く運転士に対してSAS検査を受けることを推奨しているが、検査を受けるかは任意であるという。
 2013年に発生したMNRの脱線事故では、運転士の眠気が原因とされたが、後に、この運転士がSASを患っていたことが分かり、MTAでは運転士に対してこの検査を実施していた。

SAS検査を受ける様子 (photo: Michael Symonds)

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