第5回 My 養生・不養生
「健康的な生活をしましょうね」と日頃から患者に説いている医療専門家。プライベートでも健康に気を遣っているかというと、どっこいそうでもなかったりして!? 先生がたの意外な素顔を直撃インタビュー。
大山栄作先生
そこには人生の宝があるのに、
劣等感のために掘り出さないのはもったいない

尊敬する精神科医はアルフレッド・アドラー。「人は降り注ぐ太陽の光を浴びなければいけない。これ、アドラーの言葉です。アドラーは愛の人です」
大山栄作 Eisaku Oyama, M.D.
マンハッタン精神病センター精神科医。安心メディカル・ヘルス・ケア心療内科医。1993年東京慈恵医科大学卒業。2012年マウントサイナイ医科大学卒業。米国精神医学協会(APA)会員。日本精神神経学会会員。日米で10年以上の臨床経験をもつ。
Anshin Medical Health Care
36 W. 44th St., #303 (bet. 5th & 6th Aves.)
TEL: 212-730-9010 / 9060 / 9011
www.anshinmedical.com
本紙連載中の摩天楼クリニックで今月2日号まで10回にわたり心の病気について解説していただいた精神科医の大山栄作先生。大好評にお応えして番外編として登場です。
—健康のために実践していることはありますか?
太らないようにすることかな。肥満は万病のもとですから。肥満の原因は40%が食事、60%がホルモンの影響または肝臓の代謝不全といわれています。だから、夜遅くなったら食べない。そしてなるべくストレスを溜めないようにしています。ストレスって、やりたくないことをやらされるときに溜まるでしょ、でも生きてりゃ、やりたくないこともやらなきゃならない。だから、それが終わったときに自分はどんなことができるようになるのか、その先に何が待っているかを考えるようにしています。
4コマ漫画の「自虐の詩」が好きです。言いたいことがすごく明快だから。「楽しいことも悲しいことも長く続かない。楽しいときも苦しいときもその時間と真摯に向き合って何かを得ることだ」っていうメッセージが4コマの中にあふれている。電車の中で読んで号泣しましたもん。
人は感動するために生きている、最終的に心を動かされて泣くために生きているものだと思うんです。自分に不満をもったり、やらなければいけないことを嫌がってダラダラしたりすると、楽しい時間が減ることになる。だから嫌なことをさっさと片付ける。そして楽しいことをいっぱい見つける。人生を肯定するも否定するも、楽しいことをどれだけ見つけられるか、だと思います。

18歳で始めたアルトサックス、週末はハーレムのクラブで演奏するほどの腕前。好きなジャズミュージシャンはローランド・カーク。演奏の醍醐味は「見ず知らずのプレーヤーと音楽を通して仲良くなれること」
—医療刑務所のマンハッタン精神病センター、ハーレムのシェルター、安心メディカルと仕事を3つ掛け持ちされていますが。
週休半日です(笑)。月曜から金曜はマンハッタン精神病センター、ランチタイムは1時間サックスの練習、3時ごろ遅めのランチを取って、5時半からハーレムのシェルターまたは安心メディカルでカウンセリング、9時半に仕事が終わって10時過ぎに帰宅し、それから風呂に入ります。そしてピアノを弾きます。
—晩ご飯はいつ食べるの?
食べません。食べ始めるとものすごく食べてしまうので、1日1食と決めています。風呂から上がったら、昼間サックスで吹いたコード進行があやふやな部分をピアノでもう一度弾きます。それからキース・ジャレットがボブ・ディランの曲を弾いたらどうなるか、とか、鍵盤に止まったハエを叩きながらピアノを弾いて最後はハエを食べてしまうセロニアス・モンクとか、タモリさんの芸の真似をひとしきり。だいたい夜中の12時ぐらいまで。
—映画狂との噂ですが、もしかしてそれから観るんですか?
はい。夜更かしは体に悪いと分かっていながらやめられません。松竹ヌーベルバーグとか日活ロマンポルノとかそれぞれマイブームがあって、今はニュージャーマンシネマ。80年代のヴィム・ベンダースとかね。前の晩に観た映画も繰り返し観ます。分析しながら観るのが面白いんですよ。ゲオルギー・ダネリヤ監督のロシア映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」は20回以上観ました。毎晩午前2時半ごろまで観て、それから寝ます。睡眠時間は4時間ぐらいかな。
レコードも2000枚ぐらい持っていて、それを聴きだすとあっという間に朝です。好きなのはブラジル音楽フォッホ。どこにもない音楽。コード進行が複雑でジャズっぽいんです。それと、有名なグループのメンバーがソロになってだんだん落ちぶれていって、変貌していくのを聴くのが面白い。ツェッペリンのロバート・プラントとか。彼、すごくいいです。

ポール・デスモンドの「First Place Again」

ローランド・カークの「The Inflated Tear」
—最近、絵を習い始めたそうですね。
レコードのジャケットがいいと衝動買いするほど絵が好きなんですが、上手く描けない劣等感がずっとあって。やりたいことや好きなこと、そこには人生の宝があるのに、劣等感のために掘り出さないのはもったいない、と。下手くそでもいいからまずはやってみようって思ったんです。

ブッシュウィックの絵画教室では人体デッザンに挑戦。「若い人の大胆さにいつも刺激を受けます。見習いたいですね」
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








