お客様を招く機会が増えるクリスマスからお正月は、食卓も華やかにドレスアップしたいもの。初心者でも簡単にできるテーブルコーディネートを、食空間プランナーでインテリアコーディネーターの大石育子さんに教えてもらいました。
大石育子
インテリアコーディネーター、食空間プランナー、英国式紅茶インストラクター。食空間プロジェクト(FSPJ)認定サロン/初級ディプロマ発行校Atelier de Ikuko New York主宰。日本クラブ・カルチャー講座講師、マンハッタン区在住。

テーブルコーディネートは難しいものではありません。ちょっとしたコツとルールを学べば、誰でも楽しめます。クリスマスとお正月を表す色、赤、白、緑に金と銀を足していきます。ここまでは日本でもよくみられる配色ですが、これに黒を加えることで、ぐっとニューヨークらしくなります。
クリスマスの食卓
ニューヨーカーに愛されたファッションブランド、ヘンリ・ベンデルがいよいよ閉店します。自身もヘンリ・ベンデルの大ファンだという大石さんが、愛惜を込めてコーディネート。

ヘンリ・ベンデルといえば白地に茶色のストライプと水玉模様。人気テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」にも登場し、ストライプを施したアイテムは当時の「おしゃれ女子必携」とまで言われました。今回はキャンドルに茶色のリボンを巻き、ストライプ柄の紙袋を花瓶に。色は白、茶、緑を基本に黒を入れて引き締めます。さらに差し色として赤をプラスすれば、大人可愛いニューヨークスタイルの完成。仕上げにクリスマスツリーのオーナメントをテーブルに1、2個置くだけで雰囲気がまとまります。

部屋全体に目を向けてみましょう。テーブルに赤を入れたので、ツリーにも赤いオーナメントを入れると、(テーブルとの)バランスが取れます。ヘンリ・ベンデルの紙袋や箱を飾っても素敵ですね。
お正月の食卓
ふるさと日本を遠く離れても、お正月だけは大切にお祝いしたいもの。でも「和食器は持ってきていない」「こちらで買うのは高価すぎて…」というあなたに大石さんがおすすめするのは、和紙や和紐、千代紙などニューヨークの手芸品店や書店で簡単に手に入る材料を使ってのコーディネート。

日本では本来、和のスタイルでチェック柄のテーブルクロスは使いませんが、帯と合わせればクリスマスからお正月へ早変わり。これもニューヨーク流です。

和紙や千代紙をガラスの花瓶に巻いて、その上から赤い実や、クリスマスで使ったもみの木の残りなどを入れると、日本のお正月気分を演出できます。ガラスの花瓶は、春はイースターエッグ、夏は砂や貝殻、秋にはどんぐりや松ぼっくりを入れるなどしてテーマを変えれば、四季を通じて使えますよ。

折敷があればぐっと「和」になりますが、持っていない場合は、ランチョンマットで代用できます。チルウィッチ(Chilewich)のランチョンマットはコーディネートしやすいのですが、誰がやっても同じ雰囲気になりがちなので、和のコーディネートにこそ使ってみましょう。取り皿はクレート&バレル(Create & Barrel)のものですが、和(ふた付きの塗りのお椀)と洋のクロスオーバーなスタイルを作るのにはぴったりです。取り皿の上の銘々皿は輪島塗、添えているのは古伊万里、テーブルの真ん中に敷いているのは使わなくなった帯です。
大石さんおすすめ、簡単に作れるパーティーメニュー
ウェルカムドリンク
①グラスにラズベリーまたはイチゴのシロップを少量垂らし、氷をたっぷり入れる
②ザクロの種を入れ、炭酸水かアイスティーを氷にあてながら静かに注ぎ入れる
③ラズベリーを飾って出来上がり。ミントの葉を添えても華やかです

コーンスープ
①市販のコーン缶(クリームタイプ)を汁ごとブレンダーに入れ、同量の牛乳または豆乳を加えかき混ぜ、鍋に入れて火にかける
②沸騰してきたら固形のコンソメを1個入れ、(好みで)コショウで味を整える
*コクを出したい場合は生クリームと牛乳を半量ずつにしても
ラップ・ド・ローストビーフ
①市販のローストビーフ1枚の上にサラダ菜など葉物、パプリカ、キュウリ、ズッキーニなど好みの野菜をのせ、ブルサン(boursin)チーズを小さじ1ほど加える
②巻いたローストビーフをワックスペーパーで包む
リースサラダ
①レタス、ルッコラ、チコリ、エンダイブなどの葉野菜を皿に丸く並べる
②その上にビーツ、プチトマト、ブロッコリー、ズッキーニ、パプリカ、キュウリ、アスパラ、エビ、ハム、サラミなどを色どり良くトッピングする
③ブルサンチーズを散らし、好みのドレッシングを添える

*大石さんによる四季折々のテーブルコーディネートをご紹介する連載「NY12か月のテーブル物語〜An Annual Table Décor in New York〜」が1月からスタート。ご期待ください!
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