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日本クラブは10日夜、ニューヨーク在住のオペラ愛好家で構成する「オペラの楽しみを知ろう」発起人会によるトークイベントを開催、53人が参加した。
メトロポリタン歌劇場(メット)の2019年〜20年シーズンで上演される演目を2部構成で取り上げた。第1部ではオペラ研究家のフレッド・プロトキンさんが登壇し、シーズン全体を俯瞰して新作の見所を中心に解説。第2部では同発起人会の会員が、「私のいち押しオペラ」と題して推薦作品を発表した。
プロトキンさんは、シーズン中に55の演目を上演するウィーン国立歌劇場と比べてメットは25と数こそ少ないが、その分、裏方・歌手ともに十分に準備し練習した作品が見られると強調。新作も多く、ニューヨークはオペラ好きにとって最高の環境だと述べた。オペラ史上最大の悪女を描いた新作「アグリッピーナ」、舞踊家のマーク・モリスとの共作「オルフェオとエウリディーチェ」、上演回数がきわめて少ない「スペードの女王」、男たちが主役の「シモン・ボッカネグラ」などを取り上げ、作曲の背景や物語、出演歌手などを詳説した。また、ロッシーニやベルリオーズが好きだという自身のオペラ観も語った。
第2部の発表会では、不協和音と退廃美を堪能できる「ヴォツェック」、飛び抜けた歌唱力のある歌手しか演じることができない「マリア・ストゥアルダ」、演奏映えする美しい旋律が魅力の「マノン・レスコー」などが推薦作品に上がった。

プロトキンさん(右)と司会を務めた、「オペラの楽しみを知ろう」発起人会代表の伊藤澄子さん(photo: 本紙)
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