マンハッタン区西部で13日夕、数時間にわたり起きた停電の原因が、アッパーウエストサイドでの電気ケーブルの破損だったことが分かった。電力会社コンエジソンが15日、発表した。ブロードウェーでは大半のショーが中止となった。
コンエジソンの発表によると、同区西65丁目の変電所近くで、1万3000ボルトの送電線が故障。これを遮断する保護装置が設計通りに作動せず、13日午後6時47分、大停電につながった。アッパーウエストサイドから30丁目、5番街から西のほぼ全域、42ブロックにわたり停電した。ウエストエンド街64丁目で焦げた電線が見つかったという。コンエジソン社長のティモシー・カウリー氏はニューヨークタイムズの取材に、事故について「極めて異例の事態」と話した。
同紙によると、ブロードウェーでは30のショーのうち26が公演を中止。ショーの出演者が路上で、即興で歌を披露する姿も見られた。
トニー賞のミュージカル部門作品賞に輝く「ハデスタウン」では開演まであと約1時間というところで電気の供給が途絶え中止。「狂言回し役」のヘルメスで、同助演男優賞を受けたアンドレ・デ・シールズは、ホーン奏者を連れて劇場の外に飛び出すと、オープニング曲「地獄への道」の替え歌を歌ったという。
「カム・フロム・アウェイ」の出演者も、路上でオープニング曲「ウエルカム・ツー・ザ・ロック」を軽快に披露。カーネギーホールでも停電で避難したブロードウェーの出演者が路上で歌っていたという。
15日付ウォール・ストリート・ジャーナルによると、8日から14日までのブロードウェーのチケット売り上げは3060万ドル(約33億円)で、昨シーズンの同じ週より700万ドル少なかった。

13日、ビルボードの電気が切れたタイムズスクエア付近(photo: China Izumi)
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