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差別ない街づくり難航 ウエストチェスターの開発計画
駐在員など日系家族も多く住むニューヨーク市の郊外にあるウエストチェスター郡ホワイトプレーンズでは、米住宅都市開発省(HUD)による都市開発の一環として現在、中所得者層向け住宅の開発が進んでいるが、依然、問題が山積みとなっている。
2009年、同地区はHUDとの合意のもと、5160万ドルを投じ中所得者を対象とした住宅750棟を設置することを決定。人種や所得の偏りがない平等社会の形成を目指す方針だ。
だが、同地区はニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事やクリントン夫妻など多くの著名人を含む白人富裕層が集中して居住しているため、入居希望者にも年収約7万ドル以上の条件を付けていたほか、政治と不動産価格などが複雑に絡み合い、開発計画が足踏み状態となっている。工事は大幅に遅れており、現在はまだ、206棟しか終わっていない。
HUD本部長官のロン・シムズ氏は「同計画は差別のない社会を作るための大統領の要望でもある。ただ、今までこの地域は歴史的にも難しく、住民が受け入れにくい」とし、開発計画の難航を指摘した。
ウエストチェスター郡はこれまでにHUDに700万ドルの追加資金の支払いを5回要請。いずれも判事により却下されていたが、ことし3月に初めて承認された。ウエストチェスター郡のロバート・アストリノ郡長は、連邦政府の過度の介入を指摘するも、今回の判決が「差別のない街形成の実現に一歩近づいた」と喜びの胸中を語った。
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