高級自転車の盗難急増　ブームの煽りを受けＮＹ市内

　ニューヨーク市警察（ＮＹＰＤ）の統計によると、同市内では近年高級自転車を狙った窃盗が急増しており、被害は特定の地域に集中していることが分かった。
　ＮＹＰＤによると今年度は10月26日現在、自転車の重窃盗の発生数は559件で、件数は昨年度の同時期より64％増加した。重窃盗の対象となった自転車は1000ドル以上の価値があると報告されている。
　また分署別の統計では、ウエストビレッジやノーホー、スタイベサントタウンを含む４つの地区で市内全体の発生件数の３割以上を占めている。そのひとつである第10分署のチェルシ―、ハイライン地区では、今年度８月末までに31件の重窃盗が発生しており、これは前年度比で210％もの増加となっている。
　ただし市内では重窃盗全体の発生数は減少しており、窃盗が自転車に集中していることが分かる。このため高級品だけでなく自転車全体の窃盗も増加しており、同庁の統計では前年比10．５％の増加、10年前との比較では183％増加している。
　犯罪の専門家によると、これらの地域は「観光客が多く窃盗犯が人目につかない」「騒音で犯行時の音が聞こえない」といった共通点があり、これに加えて自転車人気が追い打ちをかけている。　ある専門家は「自転車に必ず施錠をすること。ニューヨークは安全な街だと過信しないように」と注意を喚起している。