スイーツ世界のパイオニアの一流仕事術

今でこそ、海外の名ブランドや著名シェフの味を日本で楽しむことができて普通の世の中になりつつあるが、ほんの十数年前までそれは当たり前のことではなかった。そういった社会の動向には、必ず先駆者がいるものであり、彼らが生み出したビジネスのノウハウがある。
フランス・ニースで生まれ、祖父と父の職業でもあるペイストリー・シェフになるのは、フランソワ・パヤード氏にとって自然な流れだった。1990年にニューヨークに来た後にフレンチの有名店「ル・ベルナルダン」や「ダニエル」で経験を積んだ。97年には自身の店をオープンし、2000年に海外出店させた頃、パヤード氏の挑戦は新たなものになる。
「ホワイトデーという慣習を理解するのに、結局10年ぐらいかかってしまいました」と笑う。パヤード氏によれば、〝日本人は世界で2番目にスイーツの真価を認めて楽しむことのできる人々〟だが、日本人が繊細な味や細工の違いを感じたり、流行に乗ったりすることと、日本でのビジネスを成功させることは別だと気がついたという。例え、3月14日にチョコレートが売れるからといって表面上のことを合わせても、顧客はブランドを愛してくれるわけではないことを学んだ。贈り物としてのチョコレートや、日本人男性の心理などといった文化の背景を理解してこそ初めて、本当の日本用商品を開発できるのだ。「海外とのビジネスで私が得たのは、オープンマインドになる喜びです」と語る。
日本との思い出は他にもある。大震災後に、東北で有名シェフらと協力して、お弁当箱につめたフルコースを提供した。とびきりの笑顔が忘れられない、お菓子を作っていて本当によかった、と思ったという。奇しくも取材の日、日本は3月11日だった。
シェフのとっておき
季節のお菓子

その土地、文化や宗教などの違いを汲んだお菓子作りを心掛けている。これはニューヨークらしく、ジューイッシュ・ホリデーに合わせて小麦を抜いたメニューを提供。チョコレートは、ドミニカ共和国から仕入れており、全世界の店舗で使用している。
取材協力:KORIN
取材:山田恵比寿
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