ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.21 ファッションデザイナーの描くアートの形

 ニコラス・ガマレロは、ファイン・アーティスト、ペインター、イラストレーターなど、活躍の場は多岐に渡る。並行してラルフ・ローレン、グルカ、ステットソン・ハットなど多くのクリエイティブディレクター/デザイナーを務めたという興味深いキャリアを持つ。
 アーティストとして制作活動を続けていたガマレロ氏がファッション界に足を踏み入れたきっかけはとてもドラマチックだ。ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された本人のインタビュー記事を見たラルフ・ローレン氏が興味を持ち、自らニュージャージーにあるアトリエまで自家用ジェットで訪問し、意気投合したという。彼はそこから氏のパーソナルアシスタントデザイナーとしてさまざまなラインを担当し、デザイナーとしてのキャリアをスタートした。

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 彼の作品には、エアフォース、ネイティブアメリカン、70年代のロックスターなど、特有のモチーフが主に描かれている。「アメリカは他の国に比べて歴史が若く、ディテールやストーリーがまだ色鮮やか。歴史を見ていると、時代を経ても色褪せないスタイルがある」。

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 ニュージャージーのエイトリアム・ギャラリーでは今秋から来冬までの展示として、ガマレロ氏の作品を約40点ほど公開する。そこにはキャンバスに描かれた作品はもちろん、ヴィンテージのトランクやギターケース、レザージャケットにペイントしたものなど、多彩な表現が並ぶ。

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「私はファッションをアートとして見ている。後世に残すべきこととして、当時のストーリーを語る服を着たり、そういった服作りをすることに満足感を得るんだ」。氏の作品はアメカジ、ヴィンテージ、ロック、ファッションが好きな人はとくに共鳴するはず。

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photos by Shinji Murakami

9月29日(木)~1月5日(木)/at Atrium Gallery
10 Court St, Morristown, NJ 07960 Tel (973) 540-0615
※オープニング・レセプション 9月29日(木) 6-8PM

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フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。