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ニューヨーク市内では2017年末から18年11月にかけて、タクシーやウーバーなどの「雇われ運転手」8人が自殺した。深刻さが顕著になったのは18年2月、ハイヤー運転手の男性(61)が市庁舎前で命を絶った事件だろう。自殺当日、男性はSNSに「政治家が業界を破綻させた」「週120時間も働くのは奴隷、死んだ方がまし」と投稿していた。タクシー運転手は3、5、6、11月にも立て続けに自殺。9月にはウーバー運転手が初めて自殺した。
自殺したタクシー運転手は変動価格制をとる営業許可証(メダリオン)に何十万ドルもの借金を抱えていた。価格は130万ドルだった13年に比べ、現在は20万ドルにまで下落。配車サービス業界も11年のニューヨーク市参入以来、次々と新規登録が進み運転手の収入減につながっている。
相次ぐ自殺を受け市は18年8月、配車サービスの車両台数を制限する条例を可決。10月には1台につき年間1100ドルに及ぶメダリオン経費など、総額2000万ドルの免除を発表、12月には配車サービスに17ドル22セントの最低賃金を保証する条例を承認した。さらにメダリオン所有者を対象に融資などの部分救済や基金設立を目指している。一方で渋滞緩和のための運賃への上乗せ料金が19年1月から課されるのを前に運転手らは反発、提訴。州裁判所は上乗せを延期し、公聴会開催を命じた。自殺の連鎖を止められるか。利用する私たちにとっても、ひとごとではない。

運賃上乗せに抗議するタクシー運転手=12月19日
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