シティバレエの大立者が戻る バランシンさんに影響与えたプリンシパル

 「クラシックバレエ界の巨匠」と呼ばれる振付家のジョージ・バランシンさんに影響を与えたとされるバレリーナ、スザンヌ・ファレルさん(73)が今月、古巣のニューヨーク・シティ・バレエ団(NYCB)に戻ってきた。ニューヨークタイムズが23日、報じた。
 NYCBは1948年の創立から83年まで、バランシンさんが監督と振り付けを担当。同紙はファレルさんがプリンシパルとして、「気品に満ちた中にも情熱とウイットがあり、音楽性と洞察力の高い踊りを得意とした」と称賛。バランシンさんにインスピレーションを与え、クラシックバレエにモダンの息吹をもたらしたと評した。バランシンさんは78年に体に不調をきたし、83年に他界。ファレルさんは「ジュエルズ」の中の最終演目「ダイヤモンド」などの代表作を残して、89年に44歳で引退した。
 バランシンさんに続いて芸術監督となったピーター・マーティンスさんはバランシン色を払拭。しかし昨年辞任すると、NYCBは「バランシン回帰」。同紙によるとこの方向転換を最も象徴するのが「ジュエルズ」の再演決定と「バランシンは私の人生、私の宿命」と公言するファレルさんのコーチ招聘だそうだ。記事では「空気の分子のように分かれて登場」「ここでモチーフを作る」など、ファレルさんが「ダイヤモンド」の指導に熱を込める様子が伝えられている。「ジュエルズ」の再演は9月11日からの予定。