春の叙勲、MoMA館長が受章 グレン・ローリーさん

 日本政府が21日に発表した令和元(2019)年春の叙勲で、ニューヨーク近代美術館(MoMA)館長のグレン・ローリーさんが旭日中綬章を受章した。 米国での日本近代美術の普及に貢献してきたことが評価された。
 ローリーさんは1954年、ニューヨーク市生まれ。マサチューセッツ州で育ち、ハーバード大学で美術史の博士号を取得。95年にMoMA館長に着任した。MoMA PS1の前身、PS1コンテンポラリー・アート・センターとの合併を成功させ、2004年の増築では資金調達を率いた。
 日本近代美術も多く紹介してきた。在ニューヨーク日本国総領事館の発表によると、ローリーさんの下で草間彌生やオノ・ヨーコの個展、若手芸術家作品の展覧会などを開催。宮崎駿や高畑功のアニメ映画などさまざまな日本映画も上映してきた。12年には日本近代美術に関する解説文を厳選して英訳しまとめた書籍をMoMAから刊行。MoMAの収蔵品の日本への貸し出しも積極的に行い、04年に東京都で行われた「ニューヨーク近代美術館展」では20万人を動員した。

ローリーさん
(photo: Peter Ross / www.moma.org)