不動産開発業者の社長でプロフットボールチーム「マイアミ・ドルフィンズ」のオーナーのスティーブン・ロス氏が9日、ロングアイランドのハンプトンにある自宅でトランプ大統領のための資金集めパーティーを計画。銃乱射事件直後の世論を逆なでしたとして、同氏の事業をボイコットする声が相次いでいる。ウォール・ストリート・ジャーナルが7日、報じた。
ロス氏は不動産開発リレイテッドカンパニーズ会長で、ドルフィンズの他、スポーツジム「エクイノックス」や自転車ジム「ソウルサイクル」のオーナー。代表を務める非営利団体「RISE」では「人種差別を減らし、社会的正義を支持し、人種間関係を改善する」との理念を掲げている。トランプ氏とは40年の親交があるという。
同紙によると、パーティーの計画に反対する人は、トランプ氏のこれまでの言動が白人至上主義的観念や国内テロなどを煽るとし、ロス氏が経営するジムやスポーツチームから連想される価値観と矛盾すると主張。俳優でコメディアンのビリー・アイクナーさんは、エクイノックスを退会したとツイートした。
リレイテッドカンパニーズが開発したマンハッタン区のハドソンヤードでニューヨーク・ファッション・ウィークでのショーを企画していたデザイナーのプラバル・グルンさんは7日、ショーを中止するとツイート。ドルフィンズのケニー・スティルス選手は、資金調達パーティーはRISEの目的から逸脱していると非難した。
エクイノックスは7日、同ジムとソウルサイクルが「イベントとは全く関係がなく、支持もしない」とする声明文を発表。同氏は「過去の投資家で現在の経営には関わっていない」と明言し、ジムの収益が政治家の資金になることはないと述べた。
ロス氏は声明で「民主的なプロセスに直接関与し応援したいだけ」と反論。「(トランプ氏の考えに)賛成することもあれば、強く反対することもある。自らの意見を表明することに恥じはない」と述べている。
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