第2次大戦下、恋つづった日記出版 ユダヤ人少女の妹がNYで保管

 第2次世界大戦中にポーランドに住んでいたユダヤ人の少女が書いた日記「レニアの日記」が19日、出版された。24日から、米国、英国、ドイツ、ロシアなど13カ国の書店に並ぶ。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 日記はポーランド南東部プシェミシルに妹と祖父母と暮していたレニア・スピーゲルさんが、第2次世界大戦が勃発する約7カ月前の1939年1月31日から書き始めたもの。戦後、ニューヨーク市に移住したレニアさんの妹、アリアナさんが金庫に入れて保管していた。アリアナさんは同紙に「読もうとすると涙があふれてきて、どうしても読めなかった」と話した。
 日記は、レニアさんが当時交際していた男性との恋愛を中心に、東からのソ連の侵攻、また西からのドイツ軍による侵攻下での暮らしを活写。アンネ・フランクの著書「アンネの日記」と好対照だと評されている。レニアさんは強制収容所への連行を避けるため、男性の両親と共に隠れて生活。しかし18歳だった42年7月30日に見つかり、3人はナチスの軍人に殺害された。最後のページには、アウシュビッツ強制収容所に送られ生き延びた男性による、悲しみの言葉が記されている。
 ホロコーストの専門家は同紙に「戦前から戦争勃発、虐殺までの少女の生き様が残された、並外れて貴重な資料」と話している。