味・嗅覚に異常感じたら自主隔離を 新型コロナ特有の兆候

 新型コロナウイルスの感染者の多くで、嗅覚障害や味覚の低下が確認されている。米耳鼻咽喉科学会(AAOHNS)は22日、花粉症や副鼻腔炎などの既往症がないにもかかわらず、臭いや味を感じなくなった人は、新型コロナの感染が疑われるような体調の変化がなくても自主隔離するよう呼び掛けている。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 英鼻科学界の会長、クレア・ホプキンス氏は20日、世界中の医師から寄せられた報告を引用し、無臭症やこれに伴う味覚の低下は新型コロナウイルスが引き起こす疾患独特の兆候および感染の指標と判明したと発表。嗅覚を失った成人は、感染拡大のスピードを抑制するために7日間、自主隔離するよう呼び掛けた。また、医療従事者に対し、嗅覚を失った患者を治療する際には個人用保護具を身に着けること、また、不必要な副鼻腔内視鏡検査を避けることを求めた。
 同会長によると、新型コロナウイルスが最初に出現した中国の武漢市から、耳鼻咽喉科医や眼科医が多数感染し、死亡しているとの警告を受けていたという。英国では耳鼻咽喉科が2人、同ウイルスに感染し危篤状態になっている。中国やイタリア、イランでも、同ウイルスの耳鼻咽喉科医への感染と死亡が多く報告されている。韓国では、検査で陽性になった2000人の患者のうち30%が、主な症状として無臭症を訴えていた。