経営苦境のフィットネス業界 家庭用運動器具の需要が拡大

 米国のフィットネス業界は、新型コロナウイルスの影響をもろに受けた。3月にはほとんどのスポーツジムが閉鎖。収入源を閉ざされて、ジムチェーンの「24アワー・フィットネス」はチャプター11(破産法)を申請した。「ニューヨーク・スポーツ・クラブ」なども、親会社が経営破綻をほのめかしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが25日、報じた。
 密室で15分以上運動した場合、同ウイルス感染の危険が高まると専門家は警告する。特にジムは器具を共有し、利用者の呼吸も荒くなるため、高リスクだ。ジムが閉鎖した影響で家庭用運動器具「ペロトン」「ナウティルス」などの販売が伸びているという。信用格付け会社大手のムーディーズの調査によると、ワクチンが開発されるまで、家庭用運動器具の需要は継続すると予測している。
 ただし、ジムには家庭には持ち込めない大型の器具が揃っている。「エクイノックスホールディングス」「LAフィットネス」などは運営する1400カ所のジムの約37%が6月初めまでに再開した。5月にチャプター11を申請した「ゴールドジム」が55カ所の直営店舗と150カ所のフランチャイズ加盟店舗を再開したところ、これまでの3週間で、昨年の約60%の客足を確保した。8月初旬に再建できる見通しだという。アダム・ゼイツィフCEOは3月からこれまでを振り返り「常識では考えれないような経験だ」と、目を丸くする。

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